004 音響カプラ/TSS端末 (大型汎用機4)

03 : コンピュータとシステム

何を今更昔の話をしているんだ、IT業界にいるなら前を見ろと言われそうだが、この30年間は私のコンピュータ業界に関わってきた歴史そのもの。
この30年間でコンピュータの技術は圧倒的なスピードで変っていく。特に後半になればなるほど、その変化は加速していく。
これを知らずして、今のコンピュータの激変を語ることは出来ない。
きっと何かのヒントが見つかるはずだ


コンピュータを活用するには、コンピュータのハードそのものと、それを動かすためのプログラムが必要となる。そして何よりもデータ。

プログラムとデータの入力手段は、紙カードや紙テープから1980年代には音響カプラを利用したタイプライターのような端末に変わった。勿論、当時は平行して使用していたが。

今でこそ恐ろしく低機能スペックな音響カプラ端末であはあるが、当時としては大衆車が1台買えるほどの製品だったんだな。

大型汎用機でコンピュータと接続する方法は、電話回線でインターネット接続した人であるなら、かなり想像し易い。

まず、受話器を取って電話を掛ける。
勿論アナログ電話だ。ピポパで繋がる電話でない。電話の文字盤の穴に指を入れて右に回転させる往年のダイヤル回転式だ。

暫くすると接続した独特の音に変り音響カプラに受話器ごと差し込む。
勿論、音響カプラに受話器を先に差し込んでからダイヤルを回しても構わない。

汎用コンピュータと端末が接続状態になると、「繋がったよ!」の何らかの反応が起きる。

そこからIDとパスワードを入力すれば、ホストコンピュータと接続される。
ここで始めてキーボードからコマンドを入力しながらプログラムやデータを打ち込んでいく。

但し、現在のディスプレイのような画面単位に表示されないため、1行1行ライン入力でデータ入力を行うのだ。

 

タイプライタ-みたいな端末だが、勿論プログラム修正もデータ入力や変更は可能だ。
MS-DOSを知っている人ならイメージし易い。

プログラム修正であれば、そのプログラムの行範囲を指定すると、行番号が加わった範囲のプログラムが印字される。
その印字されたプログラムを見て、今度はその行番号を指定してプログラムの命令を書き換える訳だ。データの場合は打ち込んでいけば良い。

実にのんびりした作業に写るかもしれないが、これでも当時はコンピュータ業界では最先端の仕事だったのだ。

更に1980年代中頃から大型コンピュータに直接つながったダム端末と呼ばれるモニター表示方式に変わる。
これにより生産性は一気に向上し、それに伴ってコンピュータを利用する業務は一気に拡大する。

受発注データ、生産管理データ、経理データ・・・業務に必要とするありとあらゆるデータはコンピュータ間でやり取りする必要が発生した。

プログラム作成もダム端末に入力すれば良くなり、徐々にキーパンチャーの職種は脅かされていった。

ちなみに、当時の端末は「TSS端末」とか「ダム端」と言っていた。

フロアに200名位のシステム開発者がいて、中央に高価なTSS端末が20~30台位設置してあり、プログラム作成や処理実行に端末を取りあったものだ。
予約表を記入して、まさにTSS(時分割)端末を人間が時分割して使っていた。


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