トラック物流、

166 トラックの輸送コストを考える

06:物流システム

流通システム/物流システム徒然記

ちょっと脇道かもしれませんがトラックの輸送コストを考えます。

まずコストの構成内容を視覚的に作成しました。
全日本トラック協会さんの2~3年前の資料をベースにグラフ化しています。
大よその割合が理解出来れば良いのでかなり大雑把です。


トラックの輸送コスト

主だった内容を徒然に記載します。

(1) 人件費
やはり人件費に一番お金がかかります。どこの業界も同じです。
昔はトラック1台にドライバー1人が割り当てられていたものですが、昨今はトラック1台に複数のドライバーが割り当てられトラックを有効活用しています
この人件費はトラックの運転時間でなく拘束時間です

(2) 運行三費
何それ?って感じですが、燃料油脂費・修繕費・タイヤ費とのことです

(3) その他運行費
高速代は勿論、運行する際に発生する諸々の費用 ドライバーの作業着なども含まれます

(4) 車両費
文字通りクルマ購入代です 会計的に言えば減価償却代かな?

(5) 保険料
自賠責、対物、対人等の保険 これも馬鹿になりません

(6) 施設費
車庫施設や事務所施設費

(7) その他経費
事務管理費、傭車もここに含まれます

(8) 一般管理費
管理費用など上記に含まれないような経費・・・かな?


(1)~(3)は変動費、(4)~(8)は固定費になるかな?


ちなみに物流専門誌LOGI-BIZ情報によれば 1車あたりの月の原価は、2トン車で80万円、10トン車で百数十万円程度とのこと。
もっともトラックの使い方によって大きく変動するので、あまり参考になりません。

1980年代は国の規制配下にあったのですが、1990年の規制緩和に伴ない業界は一変します。
競争激化で運賃値下げが日常化し、仕事を確保するために採算割れでも請け負う業者が出ます。

当然、そうなればドライバーの賃金は下がる。
賃金が下がれば、お金を稼ぐため長時間労働を行う。
長時間労働になれば労働条件は過酷になる。

睡眠時間を削って運転するなんて珍しい話ではなくなる訳です。
前々回の「トラック列島3万キロ」そのままです。


トラックドライバーに関する各種情報を知りたい人は、こちらをどうぞ。
サイトリニューアルで、以前より随分見やすくなりました。
同じサイトの就職指導用資料 なども楽しく易しく学べます。

確か数年前までドライバー平均給与のページがあったのですが、ちょっと見つかりません。
当時はトラック業界の給与水準を感慨深く眺めていたものです。

165 トラック列島3万キロ

06:物流システム

流通システム/物流システム徒然記

今から何年も前になるが、2004年7月にNHKスペシャル 「トラック・列島3万キロ 時間を追う男たち」が放送された。

当時は非常に話題になった内容だが、内容は今でも決して古びていない。
全部見ると45分を超えるが、是非ともじっくり見て欲しい。

2005年8月の再放送を実際に生で見ている。
それが、こうしてネットで見れるようになるとは実に便利な時代になったもんだ。


トラック・列島3万キロ

トラック・列島3万キロ
クリックで YouTubeを参照

睡眠時間はない、家に帰れない、年収300万、ボーナスなし・・・6年前の内容なので状況は少しは改善されたのかもしれない。

800キロ、持ち時間10時間半、少しでも渋滞すれば間に合わない。
スピードを出すな延着するな(遅れるな)、まるでゲームを始める時のようだ。
食事をする時間もトイレに行く時間もない。


トラック・列島3万キロ
経営の厳しい状況が映像から伺える。
荷主の経費削減や同業者のダンピングで下がり続ける運賃に頭を抱えている。


トラック・列島3万キロ
いくら眠くても走らなければ間に合わない。
居眠り運転を経験したドライバーは6割になるとか。
延着のペナルティで運送代より高い賠償金請求が届く・・・何のために走るのか?


トラック・列島3万キロ
ジャストインタイム、700キロの航海 延着は絶対に出来ない
千葉から大阪まで8時間、ドライバーの持ち時間9時間、渋滞に遭遇したらアウト・・・。


トラック・列島3万キロ
到着近くにして渋滞、延着が頭をよぎる・・・。間に合うか?

「 金はいらないから眠らせてくれ 」 そう語ったドライバーの気持ちは偽りのない言葉だと思う。
しかし、会社の決算は赤字・・・さらに会社は経営改善を必要とされる。



こうした人が日本を支えているんだな。
働くこと、生きることの厳しさが分かる映像だ。

186 行きはよいよい、帰りは

06:物流システム

流通システム/物流システム徒然記

どこの業界でも低価格戦略は存在します。
2010年に大ヒットしたクリスアンダーソンのフリーは興味深く読んだものです。
この本は、価格無料で稼ぐビジネスを考察しています。
この本が話題になった頃、「フリー」なる考えが市場に出回りました。

物流業界でフリー(価格無料)を行うとするとどんな方法があるか?

運賃の無料は有り得ないと思いきや、既に送料無料なるネット通販も珍しくない昨今、もはや従来の常識で考えては、勝ち残れない時代に突入しています。
そんな訳で、物流業界の運賃コストの実態はどうなのか気になりました。

運賃を正常化させる方法は簡単です。
「採算割れの仕事を請けない」ですが、これが出来れば誰も苦労はしません。

行きはよいよい、帰りは


ライバル会社が値下げすれば、荷主は安いほうに依頼します。
お客を逃しては大変、利益が無くても請け負うしかない。ビジネスでよくある光景です。

既に日本に於ける運賃は限界に達しています。
モノを運ぶには、人件費、運行三費、その他運行費が掛かります。トラックの輸送コストを考えるに記載したとおりです。

そして、日本の業務トラックの実車率は約68%、積載率は52%という数字も出ています。
実車率とは、全走行距離に対して実際モノを載せて走行した距離の割合。
積載率とは、トラックが運べる量に対して実際にどれくらい運んでいるかの割合。

改めて考えると この数字は凄いです。
約半分は空ってことです。
帰り便は「 空気を運ぶよりはマシ 」と言って、破格の運賃で請け負っている会社なんか幾らでも存在します。


帰り便になると6割以上が空気を運んでいる訳です。
「 空気を運ぶよりはマシ 」は、この業界で耳にする言葉です。

帰り便は、燃料費と高速代程度で利益なしで請け負う会社も存在します。
確かに 「 空気を運ぶよりはマシ 」 なのかもしれませんが、思わず唸ってしまいます。

即ち 現在の運賃は、帰りのカラ便を考慮した運賃が含まれています。
ともあれ 非常に難しい問題であることは確かなようです。

尚、これを逆手にとったサービスも存在します。
エコロジコム

156 白か緑ナンバーか? そこが問題なんだ

06:物流システム

流通システム/物流システム徒然記

噂によると、中小トラック業者が荷主から白ナンバー営業を依頼されることがあるとか。

白と緑のナンバーの違いは、極端に言えば 自家用(白)か営業用(緑)の違い です。その「白」トラ営業の誘いを受けるケースが多いと言う意味。

「当社での運搬作業は白ナンバーでやって貰えないか?」
この白ナンバーにする意味は分かりますか?

詳しくは 荷主が白ナンバーを強要 誘い断ると仕事なくなるケースも を参照して下さい。
関連する内容で、運転者か下請けか?目先の利益に走る事業者多く… も参照して下さい。

ちょっと失礼・・・
ちょっと失礼・・・


勿論、白ナンバーは違法行為ですが 個人事業として請負を認められているからなんでしょう。

今回の話とは全く関係ないのですが、Yahoo! 知恵袋に、『 何故 山崎製パンは白ナンバーで物流業務を行っているんだ?』なる 質問が出ています。


逆のケースで、取引先の倒産のリスクもあります。
大手企業との取引は、売掛金回収が半年先になることも少なくありません。

物流業者と契約している場合、1ヶ月で数百万円になる場合なんてザラです。
半年後の回収となると数千万円に及びます。

運送業界は大手1社に依存する場合も多く、もし貸し倒れになったら・・・
不況 真っ只中、取引先だってどうなるか分からない。
そんな影響もあって、中小企業基盤整備機構のセーフティ共済に加入する運送事業者が激増しているとか。

更にそれに反して、ドライバーが自己破産するケースもあり、名義貸しが発覚する場合も少なくないとか。運送業者をネタにすると、色々な問題が山済みであることが分かります。

154 白と緑のナンバー

06:物流システム

物流システム奮闘記 079

知っている人のほうが多いと思いますが、トラックのナンバープレートには緑ナンバーの営業用トラックと白ナンバーの自家用トラックに分けられます。

白と緑のナンバー
上が白ナンバー、下が緑ナンバー
(注)このプレート画像は、ナンバープレート制作サイトで作成したものをそのまま利用しています。

緑ナンバーの営業用トラックは、会社や個人などから依頼された荷物を持って届けることが仕事です。即ち貨物自動車運送事業であり荷主の要求に応じて、貨物の輸送を行います。勿論、許可が必要です。

白ナンバーの自家用トラックは、会社やお店が自分で所有して、自己の商品や荷物を運ぶためのもの。つまり自家用ってやつです。

当然のことですが、個人(自社内)で利用するより、営業として荷物を集中して運ぶ緑ナンバーの方が輸送効率は高いです。
メーカーなどから卸先や保管倉庫などへ一気に貨物を輸送するのですから。

効率が良いってことは走行台数が減るということですから自然環境にも意味があります。


サイト検索してざっと調べると、国内トラックの保有台数は900万台!
そのうち85%が白ナンバーで、緑ナンバーは15%となっています。
つまり圧倒的に自家用が多いってことです。

しかし、少ない比率の緑ナンバーの方が、年間総輸送量に占める割合が高いのです。
重量比率だけで比較すれば自家用の方が55%程度ですが、重量に走行距離を加味した場合 緑ナンバーが85%に及んでいます。
緑ナンバーのトラック保有台数が全体の15%であれば、この比率は正直凄いです。

表現が悪いですけど、自家用トラックは近くをうろうろしているって感じです。
まさに交通渋滞を助長している訳です。
そうは言っても自家用車輌は便利ですから難しい問題です。


コンビニの記事でも触れましたが、今後多頻度小口配送は益々広まっていくと予想されます。必然的にトラック走行台数が増加していきます。

台数を減らすには、これもコンビニの記事に触れたように一括納品や共同配送しかありません。

輸送にはトラック輸送の他に、鉄道・航空・海上の輸送ルートがあります。
でも、今やその国内貨物輸送の90%以上が、トラック輸送です。

確か、まだ私が好青年?だった頃、鉄道の「チッキ」を利用した記憶があります。宅配便が普及した今では「チッキ」なんて死語ですが、何てたって持ち込みと受け取りが面倒だった記憶があります。

昭和中期50年代頃までは鉄道が貨物輸送の主流でしたが、どんどん減少を続けます。
今や重量ベースだと、何と全体の1%程度でしかありません。



参考サイト
ケイコ先生のトラック教室!
岡山県トラック協会
熊本県トラック協会
全日本トラック協会

1