私が大学卒業して初めて社会人になった会社は、大手ソフトウェア開発会社だった。
そもそも自分の学生時代はパソコンなんかない時代。
社会人になって、コンピュータの基礎を学びプログラム言語を覚えた。
入社した4月から2か月間の研修があり、最初の2週間はコンピュータの基礎を覚え、残りを言語研修に充てられた。俗に言う新入社員研修って言うやつ。
東京だけでなく、大阪・福岡など全国から新入社員の同期が集まって研修を受ける。同期80人ほどいたかな? 男女比率は7対3位で、この業界は女性の同期も少なくなかった。男性は全員大卒だが、女性は大卒か短大卒が半々。
プログラム言語はCOBOL か FORTRANのどちらかに分かれた。私はCOBOLだった。
その後、現場に配属され、実践でコンピュータを覚え、数か月後に再び1か月間の研修を行う仕組みだ。
自慢じゃないけど、社会人になるまでキーボードのタイピングなんか経験なし。
勿論、コンピュータの仕組みなんか知らない。プログラム実習はプログラムの独特の記述が飲み込めず全くの落ちこぼれ生徒だった。フローチャートなんか大の苦手だ。
研修が終わって、それぞれの部署に配属される。
プログラムも満足に作成出来ないくせにシステム開発部に所属する。
大袈裟に言えば、この配属で未来のSE路線が決まった。
最初は業務システムのシステム保守。業務内容を十分理解して実際に稼動しているブログラム修正を行う。
新しい機能が必要になれば、必要に応じてプログラムを作成し、システムに追加する。
これを毎日・毎日寝ても覚めても繰り返す。
勿論、並行して比較的小さなシステムを経験しながらだ。
当時のコンピュータ業界は不夜城、朝の9時に出社して、21時過ぎは普通だ。
公共団体の部署に配属された同期はもっと悲惨だった。
ほぼ22時、23時頃まで毎日残っていた。当時のコンピュータ業務は終わりがなかったのだ。
勿論、不満は大いにあった。「早く家に帰りたい、自分の時間が欲しい」と。
9時に出勤して、毎日毎日 21時 22時が普通に続くことを考えて欲しい。嫌になって当然だ。
当時、隔週で土曜日は出勤する時代だった。
2年もすれば完全週休制になるのだが、意外に土曜出勤が楽しかった。それは別の機会に触れる。
こうした環境に置かれると、プログラミング能力は凄まじく身に付く。
業務の仕組みが分かってくると、不思議と何となく頭の中で業務フローがイメージ出来るようになっていく。