ウェブデザイナー、イラストレーター等を仕事にしている人は、仕事が楽しくて仕方がない人が実に多い。直接、制作物が視覚に飛び込んでくるため達成感を得られるからだ。
エンジニアの場合、自分が設計したシステムが実際に動く現場を見ると喜びと達成感を得られる。
例えプログラマーであっても、そのプログラムが業務の一つとして重要な機能だと知れば、責任を強く感じる。
しかし、昨今はシステムが巨大化して自分の担当が、全体のどこの部分かさえ分からない場合も少なくない。
「この機能って、何のためにあるの?」、「この機能が実現すると何が変わるの?」・・・きっと一度は感じたことがあるはずだ。システムが大きいと、機能の存在意味が分からないのだ。
「システム設計書を見れば分かるんじゃないの?」と思うかもしれないが、設計側も明確な情報が与えられない場合は少なくない。
設計段階は勿論、ようやく製造段階になって環境を提示させられ、ターゲットマシンが何であるか知らされた場合も過去にあった。有り得ない話と思うかもしれないが、大規模システムになればなるほど、全体像が下まで伝わらない。
「そんな事、質問すればいいだけじゃないか」と言わないで欲しい。それが出来れば全然苦労はしないのだ。
仕組みが大きくなり、プロジェクトメンバーが多くなればなるほど、そうしたケースに遭遇する。
いずれ自分が上級SEとなりシステム全体を見渡せる立場になると、当然全容は分かってくる。
と、同時にそれと異なるプレッシャーと大きな不安に襲われるようになる。
経験を積むにつれ、任される仕事は確実に難しくなり責任が重くなるのだ。逃げ出したくなる現場もあった。修羅場を経験したことは何度かある。
しかし、何故かこの業界から離れられずここまでやってきた。
昨今は、ウェブを用いた開発が全盛となり、開発(制作)手法は大きく変わった。とは言えSEの業務開発とウェブ系開発には共通する部分が多々ある。
あれこれ数回に渡って、エンジニア魂、クリエーター魂について触れていきたい。