当時、圧倒的な隆盛を誇っていた国民機 NEC-PC98 は、DOS/V登場によって どう生き残るか、かなり話題になった。
「PC98は決してなくならない。今後も発売を続けます」と、当時のNEC社長は懸命に宣言していた。
とにかくパソコンと言えば、当時はNECだったのだ。当時のNECのシェアは8~9割近くあった。
更にMS-DOS全盛期に話は戻る。
セイコーエプソンはその頃、98互換機を発売していた。
NECは当社の所有権を侵害しているとしてEPSONに訴訟問題を起こしている。
これは、かなり有名な話だった。
同じ性能で安いなら安い互換機の方が売れるのは当然。
全体のシェア20%に食い込みだし、NECも黙っていられなくなったからだ。
いつしか使用するソフトウェアにEPSON製のPCでは動かないようにするプロテクト(エプソンチェック)をかけだした。
即座にEPSONは、そのプロテクトを解除するソフトを無償提供する。
言い方は失礼だが、私はEPSONユーザーとし、そのやり取りを楽しく眺めていたもんだ。
今となって言えるが、数年後に来襲するDOS/Vを前に、お互いいがみ合っている場合じゃなかった。
ひとまず、EPSONはNECに和解金を支払い、互換機メーカーとして進むことになったが。
しだいにNECはEPSONに対する対抗措置はうやむやになっていく。
恐らくエプソンをPC98陣営に加えた方が得策と判断したからだろう。
しかし、DOS/V機の流れは止まらない。いつしかエプソンもPC98互換機から撤退し、DOS/V互換機、プリンターやデジカメ等に注力することになる。
その後も、私は Epson Direct Shop で4台ものPCを購入している良き顧客でもある。(笑)
反面、ソフトウェア開発会社に在籍した私は、富士通FM-Rシリーズのパソコンを使うことが多かった。
FM-Rシリーズは、私にとってOSが馴染めず、とてもとても使い難いパソコンだった。
親指シフト、ワープロのOASYS…私には理解不能な戦略仕様だった。
富士通はFM-VシリーズでDOS/Vマシンを出すが、今もこの呪文から逃れず、私は富士通PCを購入することが今だ出来ない。(富士通さん 本当に申し訳ありません)