休日に秋葉原の某大手家電量販店に出掛けた。秋葉原は会社の隣駅にあり、ちょくちょく出掛ける非常に馴染みのある駅だ。すっかりアニメと萌え系になった街は、かっての電気街を知る人間にとって、時間の流れを強く感じる街でもある。
今回はオーディオに関して徒然に記す。
かっての日本製(Made in Japan)の白物家電は、世界的ブランドとして揺るぎない時代があった。時をほぼ同じにして白物家電同様に日本製オーディオ製品も世界を席巻していた。
当初のステレオは、写真のように全て1メーカーで構成され、見るからに重厚だったが、本体だけ大きくて性能はイマイチだった。次第にメーカーがオーディオ各機能を分散させた組み合わせ可能なコンポーネント式が主流となった。この頃から日本製品の独壇場となる。確かに Japan as Number One の時代があったのだ。
秋葉原の大型電機店では日本メーカーばかりが目についた。トリオ、パイオニア、サンスイ、アイワ、ソニー、テクニクス、オンキョー、ダイヤトーン、ティアック、アカイ、ナカミチ、デンオン・・・日本製品の全盛期であり、見事なまでに独壇場だった。
「ソニー、パイオニアあたりは知っているけど、サンスイやトリオとか知らないなあ~。それって三流ブランドでしょ?」と思っては決していけない。
特にサンスイなるブランドは高級オーディオメーカー山水電気として世界を席巻した知る人ぞ知るメーカーなのだ。。当時、トリオとパイオニアとオーディオ界の御三家と呼ばれていたほどだ。
当時、自分が使用していたであろう同じ型のトリオのプリメインアンプ
秋葉原の大手電気店のオーディオショールームには、何十万円とする高額オーディオがドンと鎮座していた。トリオとは社名変更したあのケンウッドのことだ。
当時、自分が使用していたであろう同じ型のトリオの亀の甲型ヘッドフォン…懐かしい~
自分はオーディオマニアではなかったので、一般的に安価な製品しか買っていない。
当時、自分が使用していたであろう同じ型の最初に購入したソニーのカセットデッキ、とってもお世話になりました!
スピーカーはトリオ、ヤマハ、ボーズ。プリメインアンプはトリオ、アイワ、レコードプレーヤーはトリオ、テクニクス、カセットデッキはヤマハ、デンオン等々だった。
当時、自分が使用していたであろう同じ型の最初のトリオのスピーカー、これも非常にお世話になりました!
都会で大音量で鳴らすことは困難かもしれないが、田舎だと大音量で聴いたもんだ。
当時、自分が使用していたであろう同じ型の2台目のヤマハのカセットデッキ、スタイルが特徴的だった
上記の購入価格は覚えていないが、当時としては結構高かった記憶がある。構造に難があったのか長く使えなかった。自分が弾くギターやピアノの曲が手軽に録音できることに非常に意味があった。
当時、自分が使用していたであろう同じ型の 2台目に購入したテクニクスのレコードプレーヤー、これも非常にお世話になりました!
30歳以下の人は、円盤をターンテーブルに置いて音楽を聴いたことがないことだろう。半分は捨てたが、捨てれないLPレコードが300枚ほど自宅の押し入れに今だ眠っている。
初期のレコードプレーヤーはベルトドライブ方式だったが、上記の製品はダイレクトドライブ方式。
ベルトドライブとは回転するモーターがゴムを利用してターンテーブルを回す原始的な方式だが、ダイレクトドライブとは直接モーターがターンテーブルを回す方式だ。モーターの性能が向上した故だ。
しかし、昨今アナログレコードが秘かな人気となり、10万円を軽く超える高級レコードプレーヤーの殆どはベルトドライブ方式となっている。実はこれには深い意味がある。
当時、自分が使用していたであろう同じ型に近い3台目に購入したデンオンのカセットデッキ
夜、部屋の電気を消して音楽を聴くと、オーディオ製品の照明が暗闇に映えてとても綺麗だった。
次第にオーディオ機器の性能が向上し、低価格で高品質な音を手軽に楽しめるようになった。こんなCDラジカセでも音に強い拘りがなければ十分に楽しめた。
そして、バブル崩壊後の多くのオーディオメーカーは、次々と姿を消したか別会社に吸収された。
オーディオの名門ブランドであるサンスイは2014年に倒産した。つい数年前まで頑張った。本当にお疲れ様でした。
オーディオ企業の歴史をたどると、まさに近代の人類の技術の進化を見てとれる。今やアナログレコードを駆逐したCDでさえも生き残りが怪しい時代なのだ。