この業界で、フェイスブックのマーク・ザッカバーグを知らない人はいないと思うけど、そもそもの始まりは大学内の女子学生の写真名簿を利用しての美人投票だった。
マーク・ザッカバーグはハッカーが出来るくらいの秀でた技術力を持っていたので、大学のコンピュータに忍び込んで各ハウスの写真名簿を次々と盗むんだ。2003年10月の頃だ。
顔写真を載せて「どちらが可愛いか」なるフェイスマッシュとサイトを命名し、一部の友人にサイトアドレスを付けてメールを送った。意見を貰ってブラッシュアップするつもりだったからだ。
しかし、これがあっと言う間に広がってしまう。数日で2万2千の投票が集まったとか。一番驚いたのが本人だ。直ぐにサイトを閉鎖するも、悪い意味で大学内で名前が知られることになった。
自分がランク付けされることに怒ったのが女子学生、まあそうだろうね。大学側も問題視するが、さほど重い処罰は受けなかった。
要は最初はかなり犯罪めいた行動から始まっている。
2004年2月4日、これをヒントに大学内のコミュニティサイトを作る。大学のメールアドレス(@harvard.edu)がないと参加できない閉じたサイトだった。
顔写真、性別、未婚か既婚か?、恋愛対象は男性か女性か?、趣味は?、友達募集中などを加えた自己紹介文・・・男女の深層心理なんてこんなもんだ、多くの学生がこれに登録した。公開2週目には登録者は5,000人に迫ったとか。
ハーバード大学だけでなく、各大学のメールアドレスを持たないと登録できない仕組みにし、他の大学にも輪を広げた。あっと言う間に大学間に広がっていく訳だ。当時、こうしたサイトがあれば、自分も登録しただろうね。自分の学生時代は時間を持て余していたからね。
このシステムを欲しがる有力企業から声がかかった。
しかし、全ての企業のオファーを断り、サーバー維持管理とシステム拡張の資金が必要なため、2004年4月13日に法人化する。あっと言う間の出来事だ。
2006年初頭には全米の高校生に輪を広げ、2006年秋には一般公開を行う。僅か数年で頂上まで駆け上ってしまった。
あの奇麗な女の子に彼氏はいるの?趣味は何?どうしたら親しくなれるの?・・・まさに動機はこんな不純から始まっている。
たくさんの本を出版されている 株式会社武蔵野の小山 昇 社長 「5千人の社長がすでに始めているテキトー経営(著書)」にも、動機なんか不純でもいい。何もしないことが最大の失敗、失敗していいからテキトーでいいからまずは前に進めよう と語られている。
前々回に紹介したマリッサ・メーイヤーも Failing Fast(失敗するなら早くしよう) だったからね。