2004年~2013年
デルコンピュータ(#6/7)
直販システムは今となっては珍しくもないけど、インターネットが登場する前からネットでビジネス展開していることは注目すべきだね。
インターネットが普及し始めるのは、1980年代後半から1990年になってから。ビル・ゲイツでさえWindows95を発売する前までインターネットを過少評価していた。
だからインターネットの重要性を理解するも時遅し、Windows95の発売にブラウザの同梱が間に合わなかったんだ。

後付けでMicrosoft Plus! を拡張機能として発売したほどだからね。1994年、デルはネットで直販システムの壮大な構想を描いていた。最初は小売販売を行っていたデルが、インターネットが広く浸透し始め出す1994年に小売販売から撤退し、法人販売に完全シフトすることで分かる。
【関連】Windows95の登場(#110)
デル、小売チャネルからの撤退
小売販売から完全撤退すること、即ち小売販売の退路を完全に断って直販システムに専念するってことだ。
小売販売とは小売店舗は勿論のこと、量販店、大型店舗、専門ショップなどの店頭販売のことを指す。
CompUSA、Best Buyなどのことだね。
Best Buyは世界最大級の家電量販店で、現在も健在。
CompUSAはコンピュータに特化した、かっての大型量販店。
その他 Sam’s Club(Wal-Mart系)、Price/Costco(Costco系)、PC World(英国PC量販店)など挙げられる。
この小売販売から撤退し、直販システムに専念するんだから相当な覚悟だ。(但し、2007年には再び小売チャネルにも進出する)

この小売チャネルの完全撤退は在庫問題だけではないと思うが、直販システムによる在庫の徹底的な圧縮は、物流会社の思想を併せ持っていたと思う。
1984年にマイケル・デルが1,000ドルで興した会社が、1999年前後には売上高180億ドル超(当時で約2兆円規模)に成長する。2001年にはコンパックを抜いて世界市場1位になる訳だ。
会社が順調だったこともあり、2004年 マイケル・デルはCEOから会長職となる。CEO後任にケビン・ロリンズを据えた。

しかし、2006年頃からDellの資金繰りが急に悪化する。
ロリンズの経営手腕が駄目だった訳じゃなく、様々な問題が一気に表面化したからなんだ。
簡単に言えば、HPのPC市場の王座復活、中国や台湾勢のPCの低価格化、アップルのiPhone、ソニーのバッテリーリコール問題、顧客サポートのクレーム等などが複数が絡み合った。
かっての直販システムに陰りが生じてしまったってことだ。
デルコンピュータ、株式非公開に
結局、2007年 創業者マイケル・デルがCEOに戻る。それでも苦しい時代は数年続く。
上場していると、さまざまな制限がある。常に株主に監視され、利益が落ちたら「経営陣は何してんだ!」と言われ、次の打つ手が出し難い。油断すればどこかの企業に乗っ取られてしまうからね。

今の直販PC会社のままでは会社の成長に限界がある。上場を廃止して自由に立ち回ろう!となった。
そんな関係もあって2013年にNASDAQ上場を廃止し、非公開会社となるんだ。
よって非公開化は、外部企業による乗っ取り買収でないから勘違いしないようにね。
創業者マイケル・デルが投資ファンドSilver Lakeの支援を受け、自らが創業したDellを自らが株式市場から買い戻すってことなんだ。公開株を買い取るから滅茶苦茶大変だ。これにはMicrosoftも支援している。
イーロンマスクがTwitterなるXを非上場したように、これによって外部株主や株式市場に振り回されず、長期目線で経営できることになると言う訳だ。
こうして直販PCメーカーから企業向け総合IT企業へとなったんだ。
総合IT企業とはPC販売だけでなく、サーバー・ストレージ・クラウド・ネットワークなどを扱う企業の意味だよ。
※注:画像は、記事に合わせて生成AIで再イメージしたものです。



















































