RPG(Report Program Generator)は、IBMが開発した言語でCOBOL言語と同様に事務処理に広く使用されている。プログラム名から分かるようにレポート処理に長けた機能があり、オフコンAS/400上で使用される。
その後のRPGは、頭文字のReport Program Generatorと言えない程に進化した。
今もRPGによるシステムが稼働している企業はまだ多い。嘘のような話だが、今も1万社に迫る企業が使い続けているとか…。COBOL案件より少ないが、たまに今でもRPG技術者を探しているAS/400案件を見かけることさえある。
RPGは、60年代から現在へと60年の長い歴史を持つ。
給与計算、顧客管理などは比較的オープン系に移行可能だが、生産管理などは企業の独自性が色濃く残る。長年RPGの機能をフル活用し、自社の業務に完全フィットした基幹システムとなったため、旧態システムと分かっていてもオープン系に移行できないのだ。まさにメガバンクのCOBOL資産と同じだ。
内製で独自システムとして作り上げた中堅大手企業が多く、今さらJavaで一新することはコスト的に難しいのだ。
これはRPG言語はマスターしやすい言語であり、自社の業務を完全内製化した基幹システムが裏目に出た。恐らく『当時は完全フィットした社内システム』の構築を自慢げにトップは語っていたはずだ。
給与計算など比較的標準化の可能なシステムはオープン系に移行し、生産管理など基幹システムは引き続きAS/400を使い続けている企業は決して少なくない。規模は大きく異なるが、メガバンクが基幹業務を今だCOBOL、それ以外をオープン系で構築する形態と重なる。

IBMロードマップ(P11参照)
これを見る限り、IBMはこの先10年以上サポートを続けていくと宣言している。AS/400は、AS/400、eServer iSeries、System i、Power Systems と性能向上しながら呼称を変えて生き続けるだろう。
尚、IBMはこのオフコン分野をビジネスアプリケーションサーバーと分類している。
企業がコンピュータを導入する理由は、「会社の業務フローを完全に理解し、それをシステム化し、会社の収益に貢献する」ことに他ならない。
エンジニアは流行りの言語や最新ハードウェアに関心を持つが、経営者はそれはどうでも良いこと。コンピュータを導入することにより いかに収益を確保できるかを考える。当然だよね。