1990年~
MS-DOSが主流だった頃の3大ソフトと言えば、今と同じように表計算・文書作成・データベースだ。今で言うと、エクセル・ワード・アクセスと言ったところ。エクセル・ワードはデファクトスタンダードになっているが、アクセスは意見が分かれるところかな。
この頃の個人で使用するソフトとなると ロータス123(98,000円)は定番で、一太郎(58,000円)管理工学研究所の松(初期バージョンは何と128,000円だったような?)、データベースソフトの考えは人それぞれだけど、要は個人でとても購入出来ない価格帯ばかり。
私はこの業界に在籍したお陰で、多くのソフトを体験する機会に恵まれていたが、そうでない人はなかなか手が出せない。製品は非常に高機能でも、自宅でたまにしか使わないのであれば、低価格でも そこそこの機能を満たしてくれれば良いはずだ。
そこで登場したのがアシストシリーズ。ビル・トッテンさんが株式会社アシストを設立し、低価格ソフトを販売した。
「9,700円、それでも結構な値段ではある」と思うかもしれないが、当時の私は これが破格の値段に思えた。ロータス123の98,000円の10分の1の価格だ。一太郎も人気があったが、文書作成ソフトが欲しいと思っても 58,000円 は気軽に出せる価格じゃなかった。
低価格でそこそこの機能を備えるソフトを望む人に迎えられた製品だったのだ。
当時、私の友人がMS-DOSのノートPCを購入し、パソコンの設定をして欲しいと、ノートPCとアシストカルクとアシストワード持参でやってきた。私はアシストシリーズは触ったこともなかったが、何となく理解出来たので設定した。MS-DOSは COMMAND.COM と autoexec.bat が分かれば MS-DOSを快適に設定することが出来る。
高機能ソフトを知ってしまえば、アシストシリーズは機能制限が多々あるため使い勝手に満点は付けられないが、自宅で集計や文書作成を理解し、高機能ソフトに移行する足掛かりとするなら最適だ。ソフトを使いこなし、物足りないなあと思ったら高機能ソフトを買えば良いのだ。
アシストカルクは、表計算は縦横集計が勿論出来たし、関数がどれほど充実していたかは分からないが、しっかりグラフ表示が出来た。ワード、カード、アートの他にアシストメールなんてのもあった。これってOfficeソフトの元祖だな。
会社は多くのサービスを提供し拡大し、今も健在企業だ。今の低価格ソフト商品群を考えるとソースネクスト社に似ているかも。