自分コンピュータ史

154 イラストレーターとフォトショップ

1987年~2000年初頭
Adobe製品とウェブクリエーターたち(#3/5)

Illustrator

イラストレーターはもともとAdobe社内で使われていたPostScriptから発展している。



ペンツールで描くベジェ曲線をマスターする
出典:Adobe Creative Cloud

PostScriptの特徴はベジュ曲線で文字を表現する。数字で計算されてるため拡大・縮小しても品質は劣化しない画期的な手法なのは知っている人も少なくない。後になって命名したことだけど、これをPostScript1(PostScript Level1)とした。その後、PostScript2でカラーや日本語など2バイト言語対応し、PostScript3でPDF形式などへと進化していく。

・1985年:Adobe PostScript Level1
・1990年:Adobe PostScript Level2
・1996年:Adobe PostScript Level3

イラストレーターは、このPostScriptの特徴を利用している。全て数字で計算されて描画されているため、イラストを拡大・縮小、はたまた変形すると再計算されて再描画されるため画質は劣化しないのだ。もともとはAdobe社内でPostScriptのためのフォント作成や編集で使われていて、それを一般向けにあれこれ手を加えて販売するに至ったのが、この業界で良く知られるイラストレーターなんだね。

1985年の3A(Apple、Adobe、Aldus)のDTPの高い人気があることを知り、Adobeは1987年にPostScript技術を活用したイラストレーター1.0を発売する。つまりイラストレーターの起源はPostScriptってことなんだ。

Photoshop

ベジュ曲線で文字やイラストを数値で表現するイラストレーターと違って、フォトショップは写真や画像の最小単位であるピクセルの集合体。画像を拡大すれば画像は劣化し、縮小した場合は間引かれるため元に戻すと画像が劣化する。但し、Photoshopは拡大縮小しても劣化しないように工夫されている。



出典:トーマス・ノール氏、その歴史を講演

Photoshopはアドビが開発した訳ではなく、兄のトーマス・ノールと弟のジョン・ノールの兄弟が画像処理ソフトを開発し、40社以上に製品を売り込むが、当時は「これ何に使うの?」と、どこの会社からも理解を得られなかった。

しかし、Adobeのジョン・ワーノックはその価値を認めたんだ。その後、トーマス・ノールはAdobeに入社し、Photoshoの開発に携わる。弟ジョン・ノールは「スター・ウォーズ」など誰もが知る有名な映画映像関係で大活躍する。


Photoshop1.0 1990年

私は画像処理ソフトのPaint Shop Proを暫く使用していたが、Paint Shop Pro8を最後とし、徐々にmacromedia製品に移行していった。
macromedia FreeHand vs Adobe Illustrator
macromedia Fireworks vs Adobe ImageReady
と、当時の両社は競合ソフトを抱えていた。
その中で動作が非常に軽いFireworksが個人的に最も使用頻度の高い画像処理ソフトとなった。


Macromedia Fireworks 4.0 2000年

Photoshopに完全移行するのはAdobe CS3からで、MacromediaがAdobeに吸収されても、更にはAdobeがFireworksのサポート終了を宣言しても、Photoshopの旧版とFireworksを愛用し続けている。特にFireworksの愛好家は非常に多く、紛れもなく私もその一人なのだ。

「まだAdobe CCに移行しないで、使っているんですか?」と冷笑されても完全に使えなくなるまで使うつもり😅


Photoshop7.0 2002年

言い訳するなら、IllustratorやPhotoshopを長く愛用する熟練者ほど、古いままのソフトを利用し続けている人が多いことを私は知っている。既に完成の域に到達しているからだ。その気持ちと似たり寄ったりなんだね😆


Adobe CS3 2007年

Adobe CS3には、これでもか!と言わんばかりの専門ツールが揃っている。それぞれのソフトは奥が深く、もはや全部使いこなせる人はいないはずだ。大抵の人はこれらツールの半分は使っていないと思う。

ともあれ絶対王者に君臨してしまったAdobeに今やライバルはいない。
 

GIMP

職制上、現在の私はPhotshopの最新版を使う必要性がなくなった。私がAI搭載の先端的作業をすることがないからだ。ちょっと寂しいので、最近は冒険心でGIMPを多用するようになった。


マリッサ・メイヤー

GIMPはフリーソフトだから世界中で多くの人が使用している。例えば書籍「Google誕生」72頁には、グーグル創業者のサーゲイ・ブリンが扱い難いGIMPを使えるこなせるようになって喜んだと書いてある。「Yahoo!」をまねた「Google」なるロゴだ。最初のロゴは垢抜けないロゴだったんだけどね😆

121頁には、グーグル・ドゥードゥルの制作にグーグル最初の女性エンジニア、マリッサ・メイヤーがGIMPをあつかう記載もある。[印象派フィルター]がモネのようだったとか…😆 その後の彼女は、Googleの副社長にまで登りつめるんだ。

GIMPは扱い難いフリーソフトのため、最近は個人的にFireworksにより近いAffinity Photoを使いだしている。

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