当時、大型汎用機を持てない相当数の中堅企業が導入したコンピュータがオフコンだ。全盛期の中堅企業は勿論、大企業の本店と支店をネットワークでオフコンが結ばれた。
但し、支店間のネットワークは今のような高速回線でデータが送受信されていた訳ではない。私が知る限り80年代は、VAN(Value Added Network)が広く利用されていた。
IBM AS/400(アイキャッチ画像も同様)
80年代当時、給与計算が欠かせない人事・経理部は今以上に重要な位置づけだった。今でこそパソコンで簡単に対応可能だが、パソコンの無い当時は大きな負担だった。給与システムは仕組みと目的が明確で、必要性が非常に高いためコンピュータ化が真っ先に進められた。
当時、給与や販売管理パッケージソフトが広く販売されていなかったため、社内にプログラミングが出来る技術者を抱える必要があった。電算部やシステム部を設置し、プログラムを組める技術者(社員)を何名も抱えた。
企業によって 給与・販売管理・顧客管理の考えは異なれど、共通する箇所は少なくない。ある程度パッケージ化されたソフトは販売提供された。
しかし、生産管理に至っては企業が異なれば全く違う。こうなるとプログラムを自前で開発するしかなかった。
大型汎用機ほどではないが、オフコンのハードウェアも空調設備の整った専用のマシンルームが必要だ。人件費を含めると中堅企業にとってオフコンの導入維持はかなり大変だ。
そんなこともあり当時、コンピュータによる事務計算を計算代行してくれる会社は存在していた。
それさえ出来ない小規模零細企業はどうしたかって?・・・多くは電卓片手に手作業で対応していたのだ。
オフコン市場は、ワークステーションの台頭とパソコンの高性能化に伴い、徐々に縮小していく。オフコン市場から撤退したメーカーもいるが、IBMのようにオフコンが姿を変え今も進化しているメーカーも存在する。
今でこそパソコン1台あれば、給与計算や販売管理、顧客管理を手軽に導入出来るが、当時はなかなか出来なかった。だからこそ当時はオフコンは存在意義が十分すぎる程あったのだ。