自分コンピュータ史

073 ウインドウズになれなかった IBM OS/2

1987年~2002年

IBMとマイクロソフトによって開発されたOS、OS/2(オーエス・ツー)は、数年間触る機会がなかったが名称だけは知っていた。

前回の投稿ネタ [米IBMのPC と 日本IBMのPC] のPS/2を発売した同じ1987年のことだ。IBMが次世代OSとして天下統一を目指してPS/2を発売した年だ。PS/2とOS/2、何だか似ていてややこしいが、フル名称で記すと分かる。

PS/2:IBM Personal System/2
OS/2:IBM Operating System/2

要は次世代のPCとOSを目指しての命名だ。

OS/2
Microsoft OS/2 1.1

1987年は、まだ自分はメインフレーム開発が主であり、OS/2の存在を知ることはあっても実際に触れる機会は全くなかった。

実際にOS/2を触ったのは、Windows95が登場する頃になる。Windows95が登場した1995年頃、IBM系の仕事をしていた関係もありWindows以上にOS/2には関心があった。

OS/2
Microsoft OS/2 Version 1.3

OS/2
IBM OS/2 2.0 Workplace Shell

IBMとマイクロソフトは、OS/2 ver2まで共同開発&提供をしていたがver3からIBM単独開発となり、Windowsを蹴落とそうと ワープ(Warp)なる名称でIBMは市場に打って出た。

OS/2 Warp

「ワープを使え!」
「DOSも走る、Windowsも走る。OS/2なら一緒に走る」
ちょうど、人気ドラマ「王様のレストラン」でシェフ役の山口智子が登場していた1995年だ。専門雑誌は勿論、テレビにもCMは流れた。

1995年は、既にWindowsが広く評価されていた。「どっちのOSが優れているか?」なんて感じで専門誌は特集した。

OS/2 Warp
IBM OS/2 Warp 4

とにかくIBMはメインフレーム同様、PC市場も手中に収めたかったんだろう、OS/2 Warpは技術専門書にCD-ROM付きで発売もされた。私は即座に購入し、専門書片手にワープ(Warp3)を自宅のPCにインストールして徹底的に触った。

う~ん・・・でも、気持ちはワープしなかった。
既にWindows3.1に慣れ過ぎていたこともあり、Warp3はどことなく操作性がWindowsより洗練されていないのだ。ファイル管理にしても、特に使い難い訳じゃないけど何かが違った。Windowsから乗り換えるほどじゃないってことだ。

2つのOSのどちらを選べって言われれば、迷わずWindowsに軍配をあげる自分がいた。Windowsの方が操作性は優れていたのだ。IBMもかなり頑張ったが、既にWindowsが市場に浸透しすぎていた。

市場をひっくり返すにはWindowsより明らかに上回る出来栄えでなければいけなかったのだ。

OS/2 Warp は頑張った。しかし、徐々に勢いは弱くなり、Warp ver4.5をもって提供を終了した。私のブログのあちこちに登場する言葉、「祇園精舎の鐘の声」だ。


【謝辞:画像】
OS/2画像

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