日進月歩の凄まじいコンピュータの話は、浦島太郎みたいで非常に面白い。
今から1990年初頭にさかのぼる。
当時ノンストップコンピュータなんてものがあった。
NonStopと言うと、タンデム社 (Tandem Computers, Inc.) が有名だった。航空・運輸交通・金融機関などコンピュータが停止してはいけない業界で文字通りノンストップとして稼働する。
フォールトトレラントシステム(Fault tolerant system)なんて呼ばれて、絶対停止しないマシンを謳い文句にしていた。
タンデムコンピュータが有名だったけど、ストラタスコンピュータ(Stratus Computer, Inc.)って言う会社もノンストップコンピュータを扱っていた。
これを某証券会社の国際システムに導入することになり、ハードを日本ストラタスコンピュータ社が、システム側を私を含めた複数のエンジニアが参画して構築した。当時、その某証券会社のコンピュータセンターが東横線沿線にあって毎日通勤した。
ある日、その日本ストラタス社のテクニカルエンジニアの金沢さんが、大きなジュラルミンケース(大型ポスターサイズに近い)を手に下げて我々の開発室にやってきた。
「それ何ですか?」と誰かが尋ねた。
「ボード(基盤)」と、金沢さんが答えた。(続く)