2020年~
私が住んでいる駅近くにPC中古Shopがある。店舗内はPCは勿論、モニター、プリンター、プロッタ-などを取り扱っている。
新品で購入したPC以外の会社にあるPCは殆どここで購入している。モニターは壊れないから会社にあるモニターの多くはここで購入している。そう考えると相当な台数になる。
当然ながら店主とは親しい。お店に入れば「あっ、いらっしゃい 榊さん」となる。
たまたまお店に訪れたとき、店内に NEC PC-98 が置かれていた。何やら動作チェックを行っているようだった。
「こんな、古い PC-98 なんか売れるんですか?」
「榊さん、これが売れるんですよ」
聞くところによると制御機器・工作機器などは、今だPC-98は現役で稼働しているとのこと。
それら機器はPC-98のソフトウェアで動作するためPC-98でないと駄目らしい。WindowsでなくPC-98のDOSじゃなければ駄目ってことなのだ。驚くのはそんなニーズが今だ少なくないと言うことだ。
お店の倉庫に数百台の中古のPC-98が眠っているとのこと。電源も通さず置きっぱなしではPCは駄目になるんじゃないかと疑問に思ったが、そこは商売なんだからしっかり管理していると思う。
既にPC-98の修理を行っていないPCショップの方が圧倒的に多いため、不具合が生じた場合は修理に出すところがない。この店ではPC98の修理は勿論、古いPC-98の買い替えも行っている。
「凄いなあ、巷はWindows11だと言っているのに、ここは90年代のDOSのまま時間が止まっているんですね」
「榊さん、結構、需要あるんですよ」
今でも古い制御機器ではPC-98でなければ動作しないものもあり、その機器を使用する限りPC-98を使い続けるしかない訳ってことだ。よって、PC-98のハードに不具合が生じたら部品を交換して正常に動作するようにする訳だ。
店主はこうも言った。
「今じゃ部品も少なくなってしまって、それに必要な部品だったらもうアウトです」
写真の養生テープの文字を見ると、Xa13/K12 RAM/64MBと続き、何と「HDD/なし」と記されていた。ひょっとして、フロッビーでDOSを立ち上げて使用するのかな?当時は珍しくないことだが、MS-DOS時代を知らない人にはきっと驚くはずだ。