1990年~
[079 MS-DOSの国内データベース王者、桐]に触れた内容は、日本のPC市場に限ってのこと。この頃の大型汎用機のDBMSは IBMのDB2、富士通のAIM/RDB、日立ならRDB1。基幹系はNDBが中心で情報系はRDBが主。私の汎用機経験はIBM/富士通/日立が殆どで、汎用機DBMSは技術者だけの世界だった。
DBMS:Database Management System
NDB:network database
RDB:relational database
汎用機のデータベースは独自DBMSだが、オープン系(この言葉が正しいかは微妙なところ)仕事で良く聞いた名称が、Oracle、Informix、Sybaseだ。Oracleは知っていても、InformixとSybaseを知らない人は多いかもしれない。この3社は1980年代後半から1990年代のデータベースとして非常に有名だった。
結果だけ先に記すと、当時元気の良かったSun MicrosystemsはMySQLを買収したが、そのSunはOracleに買収される。Informixは2001年にIBMに買収され、Sybaseは2010年にSAPに買収されている。それぞれ紆余曲折あってのことだけど、経緯を調べていると戦国ドラマが書けそうだ。
Sybaseはマイクロソフトと提携していたこともあり、今のMicrosoftのデータベース(SQL Server)はSybaseと全く無関係ではない。
90年代前半、私が作業していた別プロジェクト部隊が某人材派遣会社のシステムを Oracle か Informix を導入するかで雑談論議していた。私は実際にその場の横で作業をしていて話を聞いていた。既に知名度を上げていたOracleのライバルはInformixだったのだ。Informixは、いずれIBMに買収され、IBMはDB2とInformixを抱えることとなり、OracleのライバルはInformixからIBMになるんだけど、それはまだ先の話。
出典元:DBMS Market Transformation 2021
2000年代に入ると、Oracle、IBM、Microsoftがデータベース3強となる。この頃は、バブル渦中に上位ランク常連だった富士通や日立のDBMSがバブル崩壊後もなんとか頑張ってビジネスシーンに登場していたんだ。
さらに2010年に入ると大きく順位は入れ替わってくる。何と当時であれば考えられないような企業が加わってくる。Amazonだ。Amazonが提供しているクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)が物凄い勢いで浸透しているのだ。
2020年代になるとGoogleがGoogle Cloudで登場してくる。下の棒グラフを見れば分かるように 企業が自社で導入するOn Premises(オンプレミス)より クラウドが上回るのは時間の問題だ。1位、2位、3位は、アマゾン(AWS)、マイクロソフト(Azure)、Google(Goole Cloud)の3強となる。データベースの雄オラクルが下位に転じるなんて1990年代の業界を知る私にとって信じられないことなんだ。
出典元:DBMSの市場規模
かって強かった日本企業は1社も登場しない。日本はアメリカ企業 GoogleやAmzon、まさにGAFMAに個人情報を完全に盗まれている。YouTubeを見て笑っている場合じゃないんだ。Amazonでネット注文している場合じゃないんだ。
と言いながら、私もYouTubeは見るし、Amazonプライムで映画は見るし、Amazonでしっかりネット注文している😅 日本企業は弱くなったよなあどうすりゃいいのさ~。
出典:ビジネス+IT/クラウド市場「超」詳細
初投稿:2022.10.25
第2版:2024.01.26