1970年代初頭~
パソコンの歴史を語るには、CPUの話をすると紐解ける。
ちょっと退屈な話が数回続くかもしれないけど、意外と面白い内容です。
世界初のマイクロプロセッサと考えられるインテル4004の登場は、私が中学1年生の1971年だ。この2~3年後から電卓が一般家庭に普及し始める。
オムロンの関数電卓
自分が高校生時代に使用していた単三電池を4本使用するオムロン社の関数電卓(1975年発売)は、厚さが2cmくらいもあった。60年代にも電卓はあったらしいが、今のパソコンよりも大きく高額だった。例えば[ビジコン161]なる電卓は298,000円、これでも当時驚異的な安さだったらしい。とても一般家庭に普及しない。
世界初のプロセッサと言われるインテル4004の歴史を調べていると、ビジコン株式会社と称する日本企業が登場する。所在地が台東区浅草橋、何と自社から徒歩数分の至近距離と知る。俄然興味がわいてきた。
1970年頃のビジコン社は手動式卓上計算機で世界一のシェアを誇っていたらしい。ビジコン社は小型電卓の実現を目指し、設立まもないインテル社にマイクロプロセッサの開発依頼をする。それがインテル4004だ。
4004はビジコン社専用として研究開発されたらしいが、インテル社は途中から「これは使える!」ってことになり専用契約から汎用路線に切り替えた。
この経緯は ビジコン社の歴史 を是非とも読んで欲しい。今や世界企業のインテルと日本企業の密接な熱い関係が描かれている。
世界初のポケット電卓 Busicom LE-120A
ビジコン社の世界初となるポケット電卓。単三電池4個を使用し、価格は89,800円。ちょっと高いかな~。
世界初のCASIO MINI
超低価格/超高性能/超ミニサイズの世界初パーソナル電子計算機として販売し、電卓の普及となったCASIO MINI、単三電池4個を使用し、価格は12,800円。
ビジコン社の電卓とカシオの電卓の両方が世界初らしいが、両方が世界初ってことはあり得ない。
[Busicom LE-120A]が1971年6月に発売、[CASIO MINI]が1972年8月だからビジコン社が世界初と言える。但し、一般家庭に普及するきっかけを作り低価格に舵をとったのはカシオだ。微妙なところだ。
世界初の競争とはこんなものなんだろう。
この4004から8080のマイコンキット時代へ、そして現在のパソコンへと繋がっていくんだな。