オフィスコンピュータことオフコン(Office Computer)は、まだパソコンが高性能じゃなかった頃に大手や中堅企業が相当数導入した。
実はオフコンは和製英語、海外ではミニコンピュータ (mini computer)、スモールビジネスコンピュータ(Small Business Computer)、ミッドレンジコンピュータ(Midrange Computer)なんて呼ばれていた。
IBMのAS/400は勿論、富士通のFACOM Vシリーズ/Kシリーズ、日立のHITAC Lシリーズなどを実際に触った経験がある。NECや三菱電機のオフコンも存在していたが私は触ったことがない。
富士通 FACOM-V830の画像を例にするとオフコンとはこんな感じのコンピュータとなる。左から汎用プリンター、中央がコンピュータ本体、そして右が操作端末(ダム端末)となる。
FACOM-V830
左から順番に説明すると、左はラインプリンターと称する汎用プリンターで、普段は1行136桁のストックフォームと呼ばれる一般的な汎用紙に印字するが、出力内容に応じて用紙を取り換えて印字することが多々あった。例えば給与明細なら給与専用フォームに、販売管理の営業資料も専用フォームにセットして印字するって感じだ。
ストックフォーム
真ん中がコンピュータ本体で、その本体右半分がコンピュータそのもの。主記憶容量はシリーズで異なるが、僅か数百KBでしかない少量の機種も存在した。大きな容量でも2~4MB程度だ。今のパソコンと比較すると信じられない容量だ。2021年現在のパソコンメモリは最小でも4GBが一般だから、単純に比較しても1,000倍以上となる。
だからと言って、処理能力が今の1000分の1以下ってことは決してない。多くは数字を演算処理するだけのため、十分なビジネス能力を発揮していた。
FACOM-Vシリーズ初期の頃は 8インチ用のフロッピーディスク装置が付いていたし、更には磁気ディスクを差し替えることも出来た。磁気ディスクパックは僅か20MBや40MBで、業務に応じて差し替えていたもんだ。
当時の磁気ディスクパックの写真がないかネットで探したが全く見つからなかった。
コンピュータ博物館の最下部右の画像がディスクカートリッジ。私が体験している磁気ディスクパックとまさに同種類のものだ。
20MBでも40MBでも大きさは変わらないが、磁気ディスクパックは両手で抱えるくらいの大きさだった。両手で抱えるくらいの大きさだぞ!
他にも同様な画像がある。コンピュータ博物館 の最下部右の画像(FACOM 472K用ディスクパック)。私が体験したものと異なるが、大きさは先ほどのディスクパックと変わらない。要はこんな馬鹿デカイものだ。
一番右側がダム端末。コンソール画面にコンピュータの指示を出したり、実行結果やログを表示するだけの操作装置だ。勿論、ここでプログラミングも出来る。
ダム端=馬鹿端 なんて表現しているサイトを見かけるが、決してそんなことはない。今から当時を振り返って一部の人が発言しているに過ぎない。
【画像引用】
FACOM-V830