1980~1990年半ば頃
ニュースステーション
テレビで久米宏さんの「ニュースステーション」なる番組があった。久米宏さんは、黒柳徹子さんと一緒に司会をしていたザ・ベストテンで知名度は抜群だった。その久米さんがニュース番組に転身した。ニュースを徹底的に掘り下げる姿勢は当時は珍しく大人気番組となった。
私の記憶が正しければ、その「ニュースステーション」のスポンサー企業の1社に「ノベル(Novell)」が登場していた。
左から、小宮悦子さん、久米宏さん、小林一喜さん
私はそのCMが不思議だった。夜の10時の多くの人がテレビを見る時間帯。果たしてパソコンどうしを繋げるCMを流す意味があるのかと。
日本企業のビジネスマンにもっと同社を知って貰いたかったのだろう。米国では圧倒的にシェアの高いノベルだったが、日本では当業界人なら知っているものの 市場的に考えれば全くと言っていいほど知名度は低かった。
かろうじてマイクロソフトのLANマネージャーがシェアを確保していたが、何たって当時のPCはスタンドアロンがまだまだ一般的だった。
ネットウェアによるノベルの繁栄
ノベルは1979年に設立された歴史ある企業、80年代から90年頃はネットワークと言えばノベルと称される程の圧倒的なシェアを確立した。
PCが普及する前は、汎用機・オフコン・ミッドレンジ等のハードウェアを中心にして、その配下に端末が繋がってはいた。ノベルのソフトウェアは小型機やPCをLANで繋げた。それがネットウェア(NetWare)だ。
当時の汎用機・オフコン等は磁気テープから徐々にCMTが主となっていった。PCの場合は大抵がフロッピーディスク経由でデータを移行した。今となっては考えられないことだが、テキストデータだけであれば意外と何とかなった。当時はそれが当たり前であったし、そう言うものだと思っていた。
Novell Netware V3.11
当時、複数のPCを繋げようとするとコストは驚くほど高額であり、まだLANは気軽な存在ではなかった。ノベルの製品もかなり高額だった。つまり、MS-DOS時代はPCどうしを繋げることさえ相当ハードルが高かったのだ。
当時、私もNetWareでLAN設定の経験があったが、まずLanカードを差し込み、それぞれのPCにネットウェアをインストールし、やたら訳の分からない面倒な画面設定があった。とても難解で何度繰り返しても理解困難だった。ある程度ネットワークの知識がないと説明書に書いてあることすら理解出来なかった。
ネットウェアの快進撃
1985年 NetWare 1.0:ファイルサーバーとして複数のPCでデータ共有。
1986年 NetWare 2.0:MS-DOS 3.1に対応。今さらだけど MS-DOS 3.1 に NetWareをインストールすればLAN機能が実現できたようだ。凄いことだけど設定が難解だったと思う。
1989年 NetWare 3.0:ネットワーク管理機能が強化
徐々に小規模LANから大規模LAN(おかしな表現だけど)と拡大していった。ちょっと肥大化しすぎた感はあったけどね。
このように 1980年代の10年と1990年初頭までノベルはネットワーク提供企業として圧倒的なポジションとなり、隆盛を極めたんだ。