IBM OS/2 vs MS-Windows(#2/2)
マイクロソフトがIBMと決別する最大の理由は、未来思想が合わなくなったからだ。
IBMはハードウェアありきの最重要優顧客を考慮したPC-DOSやOS/2の開発を行った。片や自由な立場のマイクロソフトは最新テクノロジーでの開発を望んだ。
ゲイツはマックのように使いやすいPCにすることに強い拘りがあった。IBMと喧嘩別れしても理想を追い求めた結果だと思う。
もし、IBMがマイクロソフトの意見を受け入れていれば、マイクロソフトはOS/2共同開発を捨てなかっただろうし、歴史は変わっていたかもしれない。但し、マイクロソフトのことだから結果は同じだったかもしれないが。

ユーザーにとっては、市場がOS/2でもWindowsでもどちらでも良い。
思想の食い違いで OS/2 3.0(OS/2 WARP)の開発にあたってマイクロソフトは撤退する。WARPはIBMだけで開発することになった。

OS/2 1.0登場したのは1987年、Windows1.0が登場したのは1985年。安定版のWindows3.1が登場したのが1992年、企業は次々とDOSからWindows3.1に移行している。これは私の職場でも経験があって、ある日を境にガラリとPC環境が変わるのだ。
事前にWindowsを使える人が多かったためか、混乱はまるでなかった。頑なにOS/2を使用した企業は、せいぜいIBM大型機やオフコンを導入していたIBM信者企業くらいだったかもしれない。

私がOS/2を本格的にいじりまくるのは、遅まきながらOS/2 Warpの頃だが、既にこの頃は勝敗は完全に決まっていた。
1995年春、OS/2 WARPが日本でも発売されたが、既に市場はWindows3.1が高いシェアを確保していた。Warp発売に際しIBMは「DOSも動く、Windowsも動く」で市場を奪い返そうと大規模な宣伝を行っている。

そもそもOS/2の宣伝に「DOSも動く、Windowsも動く(「 Runs DOS, Windows and OS/2 application 」)」のキャッチコピーは負けを認めているようなもんだ。

IBM OS/2 Warp 4
個人的に一時期、OS/2とWindowsの両OSの使用経験はあるが、慣れの関係もあり使い易さはWindowsの方が上だった。
使い勝手や操作法に大差はないが、Windowsのほうが感覚的に使いやすかった・・・視覚もWindowsの方が洗練されていた。ユーザーが選ぶ理由は単純だ。