自分コンピュータ史

128 ワードパーフェクトの隆盛

ワードパーフェクト(#1/2)
1980~1990年半ば頃
ワードパーフェクト vs マイクロソフト ワード

世界的に見れば、PC向けワープロソフトの最初は、1978年 CP/Mで動作するWordStar(Micro Pro社)となっている。この頃はWordStarが一人勝ち状態だったようだ。勿論、私は見たことも触ったこともない。

1981年に初代IBM PC(IBM 5150)が登場し、1982年 DOS版のWordPerfectなるワープロソフトが登場する。徐々に米国市場でWordPerfectは人気を得るようになる。


WordPerfect ver 2.1 for Mac

1986年 DOS版 WordPerfect4.2が大ヒットし、サテライト・ソフトウェア・インターナショナル(SSI:Satellite Software International, Inc)は、会社を主軸商品と同じワードパーフェクトに社名変更した。

しかし、まだこの頃のシェアはWordStar(Micro Pro社)の方が高かった。
マイクロソフトは、Micro Pro と WordPerfectのシェアを食い止めるため、ワープロソフトの開発に取り掛かる。

ビル・ゲイツがゼロックス社のパロアルト研究所(PARC)から引き抜いたチャールズ・シモニーなる人物がいる。ビル・ゲイツが信頼を寄せる天才プログラマーだ。

そのチャールズ・シモニーがパロアルト研究所時代の部下リチャード・ブロディを引き抜く。チャールズ・シモニーはリチャード・ブロディをWord開発責任者に任命するが、僅か7カ月でC言語でWordを制作し周囲を驚かせたらしい。(本当かいな?逸話だと思う…)


MS Word開発者リチャード・ブロディ 著書

1983年にWord 1.0を出しバージョンアップを重ねるが、リチャード・ブロディが担当したWordはイマイチの評価で売れず、そうこうしている間にWordPerfectは更にシェアを伸ばしていった。1989年にはWordPerfectのシェアは6割になる。初期バージョンのMS-Wordの評価は低かったのだ。

上の画像は「やりたいことの見つけ方」リチャード・ブロディ著 文響社 2022年刊。本人の悟りを書いたビジネス啓発書であり、リチャード・ブロディが著者(翻訳版)だから買って読んだ。本の帯に「ビル・ゲイツ大絶賛!!」と書かれてあるが、これはお世辞の言葉だ。私には全体的に印象の薄い内容だった。

マイクロソフトのWord初代開発責任であり、ゲイツ直属の開発責任者となり金も名声も手にいれながら突如マイクロソフトを辞める。辞めた理由はどこにも記されてないが、本の冒頭で書かれてあるように相当のストレスの日々に悩まされていたようだ。


WordPerfect for Windows ver5.2

マイクロソフト ワードの攻撃

マイクロソフトはOSを提供する圧倒的有利な立場だったが、アプリケーションソフトは常に劣勢だった。この頃は、表計算:ロータス1-2-3、ワープロ:ワードパーフェクト(日本だと一太郎だね)、データベース:アシュトンテイトのdBaseと言った感じだった。

しかし、この現状をビル・ゲイツは黙って見ているはずがなかった。Wordの品質を高め、OSを提供する有利な立場を利用してワープロソフトのライバルを潰しにかかっていく。ちょうどアメリカ国内はワードパーフェクトだが、日本では一太郎だった。(続く)

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