自分コンピュータ史

129 ワードパーフェクトの衰退

ワードパーフェクト(#2/2)
1980~1990年半ば頃
ワードパーフェクト vs マイクロソフト ワード

Windowsがどんどん洗練され、Windows3.0が人気を博しても、ワードパーフェクトはDOSバージョンの製品投入を続けた。 

当時ワードパーフェクトのCEOが 「DOS版で十分じゃないか、何故ウインドウズに移行する必要があるんだ?」なんてことを業界専門誌のインタビューに応えていたらしい。気持ちは分かる。既にDOSで完成されていたからだ。これは一太郎も同じように既にDOSで完成されていた。


WordPerfect 5.1 for Windows

マイクロソフトはバージョンアップを繰り返しながらWordとExcelを洗練させていった。
マイクロソフトはOSを持つ圧倒的有利な立場を利用した。一般ユーザーはOSを開発するマイクロソフトのアプリケーションのほうが相性が良いと思うのは自然だし、マイクロソフトもWindowsとアプリとの連携を強調した。


WordPerfect 6.1 for Windows

1986年 WordPerfect4.2は最も人気のあったWordStarからトップの座を奪い、1989年 WordPerfect5.1 for DOS で不動の地位を得る。
しかし、ピークはこのあたりまでだった。

ワードパーフェクトのDOS製品の人気は高かったが、Windows版が後手後手に回ってしまった。
リリースされたWindows版は安定性に問題があったし、Windowsとの操作連携にトラブルが続いた。

WordPerfect社はボーランドと相互ライセンス契約を結び、ボーランドはWordPerfectをBorland Officeに加え販売する。そんな奮闘も空しく製品シェアは大きく下がっていった。


Novell WordPerfect と Quattro Pro ユーザーズガイド

1994年 ノベルは、WordPerfectとボーランドのQuattro Proを買い取り WordPerfect Suite として発売するが、売れ行きは芳しくなかった。1996年 ノベルはWordPerfectとQuattro Proをコーレルに売却し、コーレルは WordPerfect Office として開発販売している。


Corel WordPerfect 2021(Professional版とStandard版)

そんな訳でWordPerfect製品は生き残っているが、WordPerfect社は市場から消えてしまった。

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