自分とコンピュータ史

030 デュアルとデュプレックス

これまでの記載してきたようにノンストップコンピュータとは、仮に障害が発生しても回避する仕組みのことだ。ノンストップと記載しているが、代表格のタンデムコンピュータを意味してしまう感があるので、フォールトトレランス(fault tolerance)と記載すべきなのかもしれない。
しかし、ノンストップのほうが直球で分かり易い。どちらも意味的には同じ。

情報処理試験本に必ず登場する、デュアルシステムデュプレックスシステムとどう違うの?と思う人がいるのでちょっと触れたい。

フォールトトレランスシステムにデュアルシステムデュプレックスシステムがあると思えばよい。どちらも同じ2重化だ。但し、タンデムコンピュータもストラタスコンピュータもデュアルシステムとなる。

デュアルシステム(dual system)

デュアルシステム

これまで記載してきたタンデムコンピュータのように同じ処理を2系列で行い、障害時に他方に切り替える仕組み。ちなみに一般的なシステムは、(わざわざ言わないが)1台で稼働するシンプレックスシステムとなる。

デュプレックスシステム(Duplex System)

デュプレックスシステム

2組のシステムを用意するところまでは同じだ。確かに2重化と言えば2重化だが、仕組みが大きく異なる。
通常は主システム側が処理を行い、障害が発生した時、もう1台に切り替える方式。デュアルシステムのように2機が平行稼働している訳ではない。2つの方式に大別される。

ホットスタンバイ(Hot Standby)
障害があれば、いつでももう1台を稼働できるようにしておく方式。もう1台は常にベンチ横でウォーミングアップしているので、障害が発生しても短時間でマウンドに立てる。但し、障害発生時のデータ復旧は考慮が必要。

コールドスタンバイ(Cold Standby)
障害が発生したら、ベンチ奥の控室で昼寝をしていたもう1台をマウンドに出場させる方式。実際は控室で昼寝をさせるのは勿体ないためバッチ処理などを行わせることが多い。予備機かあればシステム復旧の目途が立たない非常事態は避けられ、記者会見を開いて監督が陳謝しなくて済む。

なんだか情報処理技術者試験のようだね。事実、情報処理技術者試験ってこうした知識を問うのだ。

ピックアップ記事

  1. 056 ファミコン登場!
  2. 060 トロン 日本国産OSが世界を狙う!
  3. 134 インチュイット と 弥生会計
  4. 085 ジョブズの本気、世界を変える
  5. 054 日本も負けちゃいられない”16bitPC発売

関連記事

  1. 自分とコンピュータ史

    002 大型汎用機はどれも同じなの?

    1980年代は大型汎用機(メインフレーム)が全盛期だった分、業界再編成…

  2. 自分とコンピュータ史

    151 NT開発者たちの死の行進

    1988年~1993年にNTリリースされるまでWindowsNT開…

  3. 自分とコンピュータ史

    031 転職せず名門IT企業を3度移籍した友人

    当時、私が在籍していた会社の制御システム開発グループに2年後輩の西田氏…

  4. 自分とコンピュータ史

    049 そのほか活躍したワープロメーカー

    ワープロは東芝、シャープ、NEC、富士通の4強だったが、勿論 他の国産…

  5. 自分とコンピュータ史

    110 Windows95の登場

    1995年8月から数年間この頃からインターネットが急激に加速す…

  6. 自分とコンピュータ史

    046 興味深いワープロの誕生秘話(2/2)

    (前回の続き)日本語変換スピードに20秒かかった時間を3秒に縮める…

カテゴリー

OMかっちゃん徒然ブログ

OM社長 徒然ブログ

業界回想記事

資料編

私的業界記事

私的感慨深い記事

歴史的記事

PAGE TOP