これまでノンストップコンピュータの内容を書いてきたが、『完全2重化ってことは2台の価格になるのかな?』と価格が気になる。
当時、その頃の専門誌「日経コンピュータ 1993.6.21」に載っていた30年前の日本タンデムコンピュータズ社と日本ストラタスコンピュータ社の製品価格だ。
まだ、タンデム社がコンパック社に買収されていない頃のデータだ。
ノンストップコンピュータは、正しくはフォールトトレラントと称さないといけないようだが、ノンストップのほうが分かり易いので、以下もこの呼称を続ける。
i860XPなるインテルのRISCプロセッサ搭載。論理回路を2重化し、自己判断で故障を検出、ハードウェアの2重化でノンストップを実現。搭載OSはUNIX SystemVシリーズ4。
製品名が文字通り NonStop それぞれが独立した構成で、別々のプロセスを同時並行処理することが可能。システム全体を完全2重化している。
R3000A、R2000AなるミップステクノロジーのRISCプロセッサ搭載。プロセッサ、ローカルメモリーとCPUモジュールを3重化して一つの論理プロセッサを構成。入出力プロセッサなどのハードウェア全体は2重化。
日本ストラタスコンピュータからのOEM供給として、NECもノンストップ機を出していた。製品名 FT は文字通り FaultTolerant から来ている。搭載OSは、最初に掲載した XA/Rと同様、UNIX SystemVシリーズ4に準拠している。
改めて考えると、ハードウェアの分類としては、(1)汎用機、(2)オフコン、(3)ワークステーション、(4)パソコン と大きく4つに分類できると思う。
その場合、ノンストップは (3)ワークステーション の分類に含まれ、更に (a)ワークステーション、(b)サーバー、(c)ノンストップ、(4)ミニコン・ミッドレンジ と分類できるかと思う。
ワークステーションはUNIXワークステーションそのものであり、サーバーもUNIXが多いことを考えれば、どうやらノンストップ機もUNIX機が基本と考えて良いようだ。
僅か30年前の雑誌の内容、性能と価格は見ての通り、隔世の感を禁じえない。