1985年、パソコン通信サービスが開始され、電話回線とモデムがあれば接続可能なアメリカ最大のインターネット接続サービスがあった。それがAOL(America Online)だった。
AOLに興味の無かった当時の記憶だから曖昧だけど、アメリカ最大と言われながらサービスに不満を持つ会員も多く、増えた会員数だけ会員数を減らすと言うジョークと思えるような評判を当時聞いたことがある。急成長がサービス低下に繋がったんだね。
そのAOL(America Online)が1997年初頭、日本にも進出してきた。
色々なところで見かけたCD-ROM配布ソフト
とにかく前宣伝が凄かった。PC雑誌に惜しげもなくCD-ROMを付録につけて「一度使って下さい!」と売り込んできたんだ。家電量販店のPC売り場だけでなく、あちこちに大量のCD-ROMが置かれていた。
欲しくもなくても簡単にCD-ROMは手に入った。会員を増やすことに大量の資金を投入していた。このCD-ROMはAOL接続ソフトなるもので、インストールすることでインターネットが楽しめるってことだ。と言っても当時はインターネットと言うよりパソコン通信と表現するほうが正しいけど。【注意】
雑誌の付録で配布されていたもの
私は雑誌を購入するたびに手に入るCD-ROM、PCショップに行けば簡単に手の入るCD-ROMをインストールすることはなかった。この商法に抵抗があったからだ。
1997年4月15日に日本でAOL日本語サービスは開始されたが、私はAOLを使っていないため勝手は知らないけど、サービス開始から伸び悩む姿は分かった。日本人にはAOLサービスは好まれなかったのだ。最終的に業績不振が続き、AOLは2004年6月ISP(Internet Service Provider)事業をイー・アクセスに譲渡すると発表した。
もっともDDI系のイー・アクセスは、イー・モバイルとなり最終的にワイモバイルとなっている。この頃の通信会社の吸収合併は複雑だ。最終的にはソフトバンク系に収まった・・・の表現になるのかな。
AOLが撤退した理由は、表面上は日本国内でのサービスプロバイダの競争の激化と言っているんだけど、先ほど記載したようにAOLのサービス形態が日本の実情に合わなかったからだと思う。日本国内で「アメリカ・オンライン」なるAOL文字は ちょっと抵抗がある。その頃の私は国内系の通信サービスを利用しているしね。
そんな訳で日本国内におけるAOLは大規模な宣伝効果も空しく短命で姿を消したんだ。
【同blog関連】
061 インターネット先駆けのパソコン通信
109 インターネット黎明期、テレホーダイ登場
【注意】
この頃は接続時間で料金が決まった。3時間までなら980円とかの基本料金があって、その後1分経過する度に8円とか徴収するスタイルだったかな。
貧乏性の私は接続時間が気になって全然楽しめなかった。テレホーダイなんてのも登場したけど、深夜限定サービスにとても抵抗があった。そんな不健康なサービスを提供するな!って感じだったなあ。
役に立たなかったインターネット関連ソフト
接続時間に気になるなら、リアルタイムで閲覧するのでなく、閲覧したいデータをPC内に一気にダウンロードしておいて、接続を切った後にゆっくり閲覧する方法は良いかもしれない。
実際にそんなソフトが出回った。貧乏性の私は迷わず購入したが、ソフト自体がチープだった。
データのリンク先の階層指定が出来て、指定した階層までダウンロードしてくれる。じっと我慢して数十分間ダウンロードする・・・その後ゆっくり見ようとすると、あれっ!リンク切れがあちこち発生して、結局見たいページが見れなかったりしたんだ。とても実用的じゃなかった。