1988年~1993年
既にコンピュータ業界ではスティーブ・ジョブスの知名度は広く知れ渡っていたが、世界的知名度となるともう少し先まで待たなければいけない。お洒落なスケルトンiMacの登場で広く知られるようになり、iPhoneの登場となるとコンピュータに無縁の人にまで知れ渡った。
途中の話は省略するが、スティーブ・ジョブスがアップルを辞めることになった際に自分のアップル株を売却し、1985年にNeXT社(NeXT Software, Inc.)を創業している。そして数年後の1988年10月、理想を追い求めたコンピュータ NeXTcube(正式名称:NeXT Computer)を発売した。
黒い四角い筐体でデザインと機能を徹底的に追い求めた評論だったが、個人的にはこの四角い箱のデザインは格好良いと全然思えなかった。キャノン製CD-ROMドライブ、デザインに合わせたキャノン製プリンター、日本国内はキャノン販売の担当だった。当時、キャノン販売の広告は目立ったもんだ。
ハードウェアはジョブズの理想に追い付けなかった。NEXT station(カラー)が88万円、NEXT CUBE は何と191万円だ。完全にビジネス向けだ。
これでは一般大衆の購入選択肢から完全に外れるため、当時掲載されたPC雑誌記事を深く読むことはなかった。今となっては熟読しておけば良かったんだけど、どんな評価がされていたか知らない。
日経コンピュータ(クリックで拡大します)
売れ行きはパッとしなかったがソフトウェアは色々な実績を残した。NeXTcubeのOS(NextSTEP)は、Sun MicrosystemsのOS(OPENSTEP)だったり、その後の倒産寸前だったアップルに受け継がれたり、MacのアプリケーションやiPhoneの言語開発はObjective-Cだが、NextSTEPは既にObjective-Cで開発されている。
やっぱり凄いもんだ。
・NETWORK博物館:NeXT Cube
・ジョブズが生み出した「NeXTSTEP」(アイキャッチ画像 含)
・スティーブ・ジョブズ考
・MacとNeXTのイノベーション