自分コンピュータ史

083 電気の街からオタク文化の街へ

1985年~1991年頃

私が知っている秋葉原は、電気製品を世界へ発信する情報発信基地だった。テレビ、洗濯機、冷蔵庫等の白モノ家電、オーディオ製品、ビデオレコーダーなど日本製品と勝負出来る国は皆無に近かった。

活気のあった頃の秋葉原

活気のあった頃の秋葉原

石丸電気のオーディオフロアに行くと、SONYなど今も健在な企業の他にサンスイ、トリオ、アイワ、アカイ、ダイヤトーン、デンオン等の優良音響専門メーカーが国内に幾つも存在した。

活気のあった頃の秋葉原

石丸電気、第一家電、ロケット、ヤマギワ、オノデン、サトームセン、ラオックス、大通りの大型店舗は勿論、お祭りの露天商のように裏路地に電気パーツを売る小さな店舗が無数に存在した。取り扱っていない電気パーツはないくらいの活気があった。

しかし、1990年代初頭のバブル崩壊で大型店舗はパソコンをフロアに設置し、小型店舗はパソコン専門店や周辺機器取扱店に入れ替わっていった。裏路地もパソコンや周辺機器を販売する小売店となり、1990年代以降は電気の街からパソコンの街へと徐々にシフトしていった。

その後の秋葉原

大型家電量販店が都内のあちこちで台頭し、秋葉原にわざわざ脚を運ぶ必要がなくなったことも大きな理由だと思う。次第に秋葉原の街そのものもゲーム・アニメ・フィギュアや美少女もの・グッズが店頭に並ぶようになる。そしてアイドル劇場のある不思議な街に変わっていく。

その後の秋葉原

かって秋葉原に行く場合、食事をしてから出掛けた。食べ物屋がなかったからだ。

その後の秋葉原

飲食店やアニメ・フィギュア等を取り扱う店舗がどんどん増え、メイド喫茶も登場しだす。高い確率でチラシを配るメイド服の姿を見かけることが出来た。ここまで変わってしまうと、秋葉原の全盛期を知るものにとって戸惑いはかなり多い。

その後の秋葉原

萌え、アイドル等に否定している訳では全くない。要は時代の流れと納得するしかない。しかし、かって電気の街と称された秋葉原は無くなったことは確かだ。


2021年5月・・・

コロナ禍の秋葉原

こちらはコロナ禍の 2021年5月に仕事帰りに立ち寄った時の写真だ。JR秋葉原駅前のビル1棟まるごと空いていた。3階の窓に「テナント募集」の文字が寂しく見えた。

コロナ禍の秋葉原

JR秋葉原駅の電気街口の改札を出て直ぐのビル。電気街隆盛の頃は「石丸電気 駅前店」だった記憶がある。既に石丸電気は2009年にエディオンに吸収合併されている。

コロナ禍の秋葉原

その「石丸電気 駅前店」だったビルを背にすると、真正面に「テナント募集」の文字。JR秋葉原駅から徒歩10秒だ。最高の立地でも営業継続は難しかったってことか?恐るべしコロナ。

コロナ禍の秋葉原

1990年に開業し、かって秋葉原を象徴するかのように君臨した「ラオックスコンピュータ館」。技術専門書が豊富に揃っていたため何度も館内を出入りした。Windows95のカウントダウン深夜発売のときはメディアに取り上げられた。

Windows98カウントダウン販売時は、マイクロソフトの成毛社長が登場した。この頃がラオックスコンピュータ館=パソコンの街 秋葉原のピークだったかもしれない。
2007年9月に閉店、暫く空き状態が続き、いつしか「AKIBAカルチャーズZONE」なるオタク文化の情報発信するビルに生まれ変わった。コロナ禍の各店舗の経営状態までは知らない。

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