(034 私よりソフトが魅力なの? #1からのつづき)
最終的にはオラクルが2009年にSunを買収し、Sunは2010年1月に完全子会社となる。既にデータベースのMySQLを買収していたSun。OracleにとってハイエンドなOracleDB、廉価版となるMySQLを揃えられることは好都合だったはずだ。前回と同じ言葉になるが、Sunのハード資産よりもSolaris、Java、MySQLなどのソフトウェア資産が魅力だったのではないだろうか。ハードウェアはソフトウェアより圧倒的に陳腐化が早いからだ。
Sunを支配下に置いたオラクルは、以前からあった人気認定試験OracleのDB認定試験の他に、SunのJava認定試験がいきなりオラクルの認定試験と名称を変えた。改めて「あの憧れだったワークステーションのSunが無くなったんだなあ…」と、感慨深く寂しさを感じたものだ。
話は変わるが、Googleが無償提供していることで知られるAndroid OSは、SunのJava技術を一部を使用している。OracleはGoogleを特許権と著作権の侵害で提訴を起こしている。かなり前からSunも不愉快に思っていたようだが、既に訴訟を起こす体力もなくGoogleへの訴訟は買収したOracleに引き継がれたようだ。
こうした訴訟問題はIT企業間で幾らでもある。例えば、Microsoft.NET環境のC#は、Javaの考えをベースにしている。この頃はSunは元気であり、数年の訴訟のすえマイクロソフトは賠償額を支払っている。
マイクロソフトと言えばGitHub買収もある。
更に時を大きく遡れば日本でもNEC-PC98シリーズとEPSON PCのPC98互換機の論争も有名だ。NECとEPSONのOSプロテクトの追いかけっこは、EPSONユーザーだった私にとって大変興味深かった。最終的にEPSONが賠償額を支払っている・・・もう例を挙げたらきりがない。
好調な企業は、ひと頃の有力企業を買収し、更にシェア上げて大きくなる。企業間でよく見かける事象だが、IT企業はその金額が桁違いで且つスピードが早い。