自分コンピュータ史

016 コンピュータルーム


COBOL・FORTRAN系汎用機開発者、現在の50代以降の技術者であれば多くの人が経験したコンピュータルームだ。

コンピュータルーム

私が20代前半の頃、上記より広いフロア全面に各種マシンが並んでいたが、イメージはこんな感じだった。手前のパソコンの型を考慮すると85年前後のコンピュータルームかと思う。

何となく格好良いイメージに思えなくもないが、この記憶能力や処理能力を知ると、今の若者は間違いなく耳を疑うだろう。

マシンは空調の効いた部屋に鎮座し、ホスト制御のための数台のダム端末が置いてある。手前プリンタ―の左側はパソコンのモニターだ。その左隣のモニターがダム端末になる。

開発部署にはダム端末が何十台と並べられ、プログラミングや各種処理を実行していた。今も金融系では大型汎用機は生きているので、こうしたコンピュータルームは存在している。
但し、各種マシンは格段に性能がアップし、大きく大きく姿を変えている。

オペレータはここが主戦場となる。マシン独特なうねり音がフロア全体に響き渡り、フロア全体は空調が効いているため結構寒い。基本的に緊急などで自分がテープをかけざるを得ないときを除けば、私はマシンルームに出入りすることはなかった。

コンピュータルーム

こちらは更に古い1970年前後の写真。この時期の私は少年期だったため、このようなマシン室は体験していないが、磁気テープがずらりと並んでいる。当時 磁気ディスクは非常に高価なため、もっぱら磁気テープが記憶媒体に使われていた故だ。

コンピュータの処理(JOB)は、瞬時に終わるJOBもあれば、時間のかかるJOBもあり、オペレータが順次実行し、テープを掛けたり外したりする。オペレータは24時間交代制が一般的で、日夜コンピュータは休むことなく稼働する。

朝 会社に出勤し、処理がアベンド(注1)し、必要帳票が出力されていなかったりすると、青い顔してオペレータに再依頼したもんだ。今となっては懐かしい思い出だ。

(注1)アベンド:異常終了(ABEND =Abnormal End の略)、実行処理を行っているコンピュータが何らかのエラーで途中終了すること。

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