数回前のブログ記事に、紙カードや紙テープを使ってコンピュータにデータを記録することに触れた。データはプログラムだけではない、コンピュータで入出力対象となるものは全てデータだ。
このデータはどこに保存しているのか?と言えば、一般的に磁気ディスク装置となる。
しかし、当時 磁気ディスク装置はとにかく高価な装置だったため、データの長期保存に磁気テープが使用された。
嘘みたいな本当の話なんだけど、磁気テープでデータを読み込み、処理結果を別の磁気テープ装置の磁気テープに書き込む処理を行ったことがある。要は磁気ディスク装置を介さないってことだ。出力した磁気テープをそのまま某有名大学に収めたのだ。
つまり、2台の磁気テープ装置があって、1台がクルリ・クルッと磁気テープが回転してデータを読み込み、コンピュータ内でそのデータを演算処理を行い、その結果をもう1台の磁気テープがクルッ・クルッと回転しデータを書き込むのだ。
磁気テープ
クルリ・クルッと回転する磁気テープの回転速度は想像できると思う、当時の磁気テープの記録密度も何となく想像出来ると思う。せいぜい数百件~数千件ってレベルだ(注1)。であれば データ処理速度も大よそ想像出来ると思う。所詮、その程度の処理速度だったのだ。
1970年~1980年はIBMを中心とする大型コンピュータによるデータ処理は、事務計算はCOBOL言語、建築関係の科学技術計算にはFORTRAN言語、その両方の性質を併せ持つPL/I言語が当時の主流だった。
1980年代半ばに構築された銀行の第3次オンラインシステムの多くはCOBOLで開発されている。その頃の多くの技術者は既に60歳を超えている。銀行以外の大規模システムとして、国鉄の座席予約システム「MARS」なども有名だった。
磁気テープ保管庫
膨大なデータの保存手段として磁気テープは大活躍した時代だった。デジタルであってもアナログ感が漂う良き時代だ。
(注1) 2400フィート(直径約40cm)が主で、記録密度 6250BPI(Bit per Inch)が一般的だったかな。記録密度は実行JCLで定義したものだ。
【画像引用】
https://minkara.carview.co.jp/userid/3064457/blog/43639201/
とても興味深い内容です。私より更に大先輩エンジニアです。
『 磁気ディスク(ハードディスク)の無い時代なので・・・全て磁気テープに書き出します』なんて文章がさりげなく記載されています。