価格から考えるとコストパフォーマンスに定評があったNEC文豪シリーズ。NECはパソコンやワープロのトップメーカーだった故、デスクトップ、ラップトップ、ノートブックなど多種モデルが販売され多くの一般家庭でも見かけた。
NEC PWP-100用 M式キーボード(1983)
NEC PWP-100、NEC初の個人向け製品。これは左手が母音・右手で子音を担当し、左右交互のワンツー入力する方式のNECワープロ PWP-100用 M式キーボードだ。
富士通の親指シフトは親指が漢字変換キーを担当し、親指以外の左右それぞれの4本指でカナ入力をした、親指シフトはそれなりに指示された。
このNECのキーボードの発想は素晴らしいが、果たして売れたのだろうか?1984年の商品デザイン部門でグッドデザイン賞に選ばれたんだから違う意味で凄い。NEC PWP-100本体とドットインパクトプリンター付で349,800円だ。
NECワープロ PWP-100用キーボード
シャープ 書院 WD-X500、熱転写方式のプリンタを搭載し、初期から32ドットと印刷に定評だった。1989年のWD-A800になると64ドットへと進化している。当時はリボンによる熱転写方式は勿体ないと勝手に過少評価したもんだが、今になって思えば印刷品質に拘った故かもしれない。
と言うのは、秋葉原大手有名電気店での4強メーカー+α(東芝・シャープ・NEC・富士通とその他)を並べて販売していた当時、シャープが一番印刷結果が綺麗だった記憶がある。当時はさほど興味がなかったので深く追求しなかったが、これは熱転写に拘った故だったのか?
ユーザーは、印刷結果を優先するかコストパフォーマンスをとるかだ。もっとも他メーカーでも熱転写方式はあったが、さほど印刷結果が綺麗だった記憶がない…。
シャープ 書院 WD-X500(1994)
各社メーカーは、これでもかと言うように機能を拡張していった。機能だけではない、ワープロ専用機も後半になると色々なソフトが入りちょっとしたパソコン機能を持たせていた。
年賀状機能、表計算ソフト、日記帳、家計簿、ゲーム、入力した文章をそのままFAXで送る機能、辞書検索(国語辞典、英和辞典、和英辞典)などだ。
機能は豊富だったが、ワープロ専用機が出来ることは全てPCでも出来た。おまけにPCのほうが拡張性が高かった。そんな理由もあり各メーカーのワープロ専用機はパソコンの普及とともに次々と販売を終了していく。
NECの文豪シリーズは1999年、シャープの書院シリーズは2003年まで頑張った。
余談だがワープロはいずれ無くなる? 30年前のメーカーの回答が非常に面白い。
これはDOS/Vパソコンが上陸して徐々に売れ行きが鈍化しだす中、「PC98はなくならない!」と日本電気の広報担当者が熱く語っていたのと同じだ。
「ワープロはいずれなくなるか?」という質問に30年前のメーカー各社はどう答えた?
ワープロはいずれ無くなる?(30年前のメーカーの回答)