Directorの隆盛
1990年代から2000年そこそこ

自宅に眠るCD-ROMの一部、どれもDirectorで作成されている
前掲のブローダーバンド社の「おばあちゃんとぼくと」を代表とするLiving Booksシリーズや同じブローダーバンド社の「MYST」。前回記載の「らすたぁちゃんと遊ぼう」や リカちゃん や キティちゃんも全てDirectorで作られていた。

この頃の多くのマルチメディア製品は、Directorと呼ばれるオーサーリングソフトで制作されることが多かった。やたらパッケージやCD-ROM、画面テロップにMacromediaのロゴが目に止まったからだ。

そのオーサリングソフトMacromedia Directorを一生懸命覚えた時期がある。188,000円したかな?アニメーション制作を経験したくて欲しかった。
しかし、とても個人で買える価格じゃなかった。

そのあと個人で買ったDirectorは今も自宅で眠っている
1996年頃、会社に購入申請したら開発の勉強になるならと購入許可が出た。嘘みたいだが本当の話だ。
当時バブル崩壊の影響で多くの企業はあえぎ、在籍していた会社も新しい分野を模索していた。偶然 自分の企画提案が会社に認められたって訳だ。そんな訳でDirectorソフトを一生懸命 昼も夜も夜中も休日も勉強した。
当時、Director5.0J向けの入門書は都内の大型書店に置いてなかった。Amazonで注文しようにもAmazonはまだ日本に進出していない。Google検索しようにもGoogleそのものが存在していない。当時、千里眼など国産検索エンジンはあったが、情報量が貧弱でDirectorの入門書は表示されなかった。
今と比較すれば不便極まりないが、これが当たり前の時代では不便さは感じないものだ。そんなこともあって入門書を手にするのはかなり後だった。

入手困難だったDirector入門書で一生懸命勉強した
仕方なくパッケージ付属のDIRECTOR入門ガイド、DIRECTOR操作ガイド それとLIOGO入門ガイドで理解するしかなかった。当時のソフトウェアに付属するマニュアルは適度な厚さはあったが、無機質な説明で理解し難かった。そのため数冊の入門書が発売された時は、本の中身を確認せず購入したもんだ。それほど技術本が欲しかった。
DirectorにはLingo(リンゴ)なる独自Script言語があったが、どうにも癖のあるスクリプトで理解し難かった。自分一人からのスタートだったが仲間が増えることもなく自然消滅してしまった。所詮、素人のマルチメディアの企画だったってことだ。会社の資産を無駄にしてしまった…御免なさい!
その後、会社が提供してくれたDirectorは返却した。手元に製品が無くなると欲しくなるもんだ。記憶は曖昧だけど5~6万円で購入できるチャンスがあった。大枚はたいて個人でDirectorを買っている。意を決して購入したDirectorだが、直ぐにFlashに流れが変わっていくんだな。何のために買ったんだぁ~(泣)。
Macromedia社は、1992年 Director開発元のMacroMind-Paracomp社とAuthorware開発元のAuthorware社が合併して出来た。
1996年 そのMacromediaは、FutureWave Software(Flash関係)とiBand社(Dreamweaver、Fireworks関係)を買収し、1997年 Flashなる製品を発売する。このFlashがウェブで一世を風靡することになる。
しかし、Macromediaは最終的にAdobeに買収されるのだが、それは別のはなしで。