前回に触れたように、国は国産のコンピュータメーカーを育成しようとした。そのメーカーは、日立、NEC、三菱電機、富士通、東芝、沖電気の6社だ。日本メーカー6社だ。
しかし、現在 世界中でメインフレーム(大型コンピュータ)メーカーが生き残っているのは、IBM、富士通、日本電気、日立製作所、ユニシス、アトス(Atos)だけだ。世界規模で見ても日本企業が半分も生き残っている。
上述の6社の1社アトスってどこの会社?と思うかもしれないが、フランスの老舗メインフレームメーカーBull社のことだ。Bull社は日本では馴染みが薄いので知らない人も多いかもしれない。
Bull社は、GE⇒ハネウェル⇒NEC系なる関係が成り立つ。日本で馴染みは薄いBull社だが、メインフレームの歴史には必ず登場するフランスの雄だった。2014年にアトスに買収された。
今も尚、富士通、日本電気、日立製作所の日本のメーカーの名前が残るのは何とも嬉しいし素晴らしい!頑張っている日本企業を見ると元気が出る。
しかし、調べていると寂しいことが分かってくる。
今じゃ日立製作所はハードウエア製造から撤退しているし、富士通は2030年以降も提供をすると表明しているが、寂しい記事もみかける。NECも富士通同様今後も頑張るコメントを出すが他の記事を合わせて読むと、う~ん・・・と唸ってしまう。
今やメインフレーム製造メーカー3社は、日本のメガバンクを筆頭とする金融・生保・損保などの大企業のために存続している感じがしないこともない。その導入している会社は100社プラス数十社程度のようだ。
メガバンクも今後の生き残りに懸命であることを考えれば、大型コンピュータの未来にあまり期待が持てない。
アイキャッチ画像:富士通 最上位メインフレームGS8900モデルグループ、GS8900シングルクラスターモデル(1999年10月)