1993年頃~90年代後半
私は NEC PC98系 の純粋なユーザーじゃ無かったため、当時NECがDOS/Vとどう戦ったか詳しくない。専門誌の記事で次々に新機種を投入している印象だけが記憶に残っている。
PC98系に詳しくないくせに記事を書くのは恐縮だが、一人で全てを対応している関係もあり、PC98系に全然触れないのもおかしいので時代の流れを掴み取って下さい(間違いはご指摘下さい)。
PC9801シリーズ
左:1992年7月 / 右:1993年1月
左はDOS/Vが話題となりだした1992年頃のPC、i386SX(16MHz)、メモリ1.6MB、内臓HDなしで248,000円、80MBのHDを内蔵すると418,000円となる。勿論モニターは別だ。
しかし、1993年1月になるといきなり本体価格は下がる。右のカタログPCは i486SX2(20MHz)、メモリ1.6MB、HDなしで218,000円、同CPUでメモリ3.6MB、80MBのHD(IDE)を内蔵しても288,000円だ。
【関連】
099 コンパックショック!
PC9801シリーズ
左:1993年11月 / 右:1995年1月
カタログを見るように、1993年初頭から発売されるPC-9801シリーズは、98FELLOWと愛称がつけられた。理由は 1992年11月にPC-9821シリーズが誕生し、9801シリーズと9821シリーズの違いを明確にするためだったようだ。値段も劇的に安くなっている。
PC9801シリーズ
左右ともに:1995年7月
少し前まで平気で50~70万円あたりをウロウロしていたPCが劇的に安くなっている。低価格のDOS/Vの影響だ。今までのPC価格って何だったの?と思う程の価格差だ。
PC9821シリーズ
左:1992年11月 / 右:1993年1月
初代PC9821は98MULTiと愛称がつけられたが、3か月を待たずに2代目は98MATEなる愛称がつけたられた。98MATEの愛称は継続するが、その後複数の愛称が加わっていった。
NEC PC9801シリーズは 640×400ドット 16色が基本、NEC PC9821シリーズは 640×480ドット 256色で Windows VGAを意識していた。完全にDOS/V Windowsとの対抗措置だ。
PC-9801(愛称98FELLOW)はこれまでの廉価PCシリーズで販売を続投。PC-9821(愛称98MATE)はWindowsを意識していく。2つのシリーズに住み分けられた。98FELLOWとして残る理由は、これまで膨大なDOSアプリケーションを抱えているため、このままPC9801シリーズを使い続けたいユーザーが多数いたことにある。
メガバンクは今もCOBOLが活躍している。大型汎用機とCOBOLみたいな関係だな(笑)
PC9821シリーズ
左:1993年5月 / 右:1995年5月
更に1995年5月には98MATE Xと愛称が加わった。PC9821シリーズは、98MATEの愛称の他、98MATE R、98MATE X、98MATE VALUE STAR、98MULTi、CEREBなどの愛称で新機種は発売され続けた。
PC9821シリーズ
左右ともに:1995年11月
ここで掲載しているPCは一部だ。これ以外のPCが次々と発売されている。こんなに頻繁に後続機種が発売されたらNEC98ヘビーユーザーでも把握は困難だ。
1995年はWindows95が登場する頃だ、Windows95は英語版が1995年8月、日本語版は同年11月に発売されている。秋葉原ではWindows95発売のカウントダウンまで行われ お祭り騒ぎとなった。(【参照】電気の街からオタク文化の街への後半箇所にも記載)
PC9821シリーズ
左:1997年1月 / 右:1997年5月
この頃の私は、完全にDOS/V陣営のPCを使用していた。NEC98はDOS/V陣営に意地と誇りで果敢に戦った。もう切ないくらい頑張った感がある。「PC98は決して無くなりません!」NEC陣営の熱くとも切ない声明を今でも思い出す。
PC9821シリーズ
左:1997年5月 / 右:2000年5月
右は、PC9821シリーズ最後となったPC-9821Ra43だ。と言っても、PC9801シリーズの登場機種はWindows95が出た年だったので、実質この機種がPC98の最後のようだ。何事も幕を降ろすのは寂しいものだ。
NEC PC9821シリーズ発売年月別一覧表(クリックで拡大)
自分の理解のためPC-9821シリーズの一覧表を作成してみた。同じ機種でも内臓HD搭載やメモリ容量で大きく価格は変わるし、記載はディスクトップPCだけ、これ以外にノートPCもある。あくまでも全体を俯瞰する意味で眺めて下さい。