1990年~1991年頃
最初に買ったEPSON 386Mで色々なソフトを試し遊んでいるうちに絵や音に対する欲求が出てきた。今でこそPCの画像や音楽は当たり前に扱われるが、当初のPCはそんな芸当は出来なかった。
株式会社ツァイト(Zeit)のZ’s STAFF KiD98なるソフトをお遊びで買って遊んだ。28,000円だったかな?シンプルなペイントソフトで、ツールを選択してキャンバス全体に絵を描く感じだったかな。Z’s STAFF KiD98(ジーズ・スタッフキッド98)と呼ばれたNEC PC-98向けの16色専用お絵かきソフトだ。
Z’s STAFF にはPro版とKid版があって、Kid版のNEC98向けだからKid98と称されたと思われる。
お絵かきソフトと言うと安っぽい印象だけど、Adobeのイラストレーターは勿論、フォトショップも市場に登場していなかった頃。当時はグラフィックソフトの一つとして Z’s STAFFのPro版は実際ビジネスでも使われていた。
何せ古い話なのでどんなソフトだったか、どんな絵を描いて遊んだか殆ど覚えていない。マウスを必要とし、MS-DOS上でソフトを起動し、マウスを認識させて絵を描く。当時は進んだ遊びだったかもしれないが、今なら珍しくもない話だ。
実はマウスに関して苦い思い出があって、買ったPC(EPSON 386M)はマウスを認識してくれなかった。今ならUSBポートに差しめば簡単に動作するシロモノでも、当時はボードに直接差し込んで動作させるのが一般的だった。考えられる色々なことを試しても認識してくれなかった。今のPCは不具合は少ないが、当時のPCはこんな不具合や動作不良なんか決して珍しくなかった。
エプソン修理センターにPCを紙袋に入れ、調布だったか電車で向かった。
しかし、案内されていた修理センターは移転していた。「えええっ!せっかく来たのに何なんだ!」今ならネットで移転情報は直ぐ告知されるが、当時は情報を知るタイムラグがあった。
店舗前の移転表示の紙を見て途方に暮れた。また移動か・・・。入り口近くで途方に暮れていたら、クルマに乗って同じようにPCを修理にきた人がいて張り紙を見て状況を理解した。近くの落胆した私の姿を見て、「一緒に行く?」と声をかけてくれた。
お互い身も知らないけど、コンサートみたいに目的が同じだと連帯感が生まれる。クルマに乗せて貰い、移転先に行って一緒に修理センターの窓口に立った。その人はPC286シリーズを持参していた。
どの期間でPCが戻ってきたかの記憶はないけど、戻ってきたPCはマウスをすんなり認識した。
しかし、マウスが動いた達成感とともにお絵かきソフトを使用することは殆どなくなった。そもそもPCで絵を描く習慣がないのだから無駄な投資だ。マウスで絵を描くまでの行為が目的だったんだと思う。
自宅に今も眠るフロッピー
間もなくMS-DOSからWindows3.1に移行し、キッドピクスが発売され子供のように遊んだ。素朴なソフトであり色々な種類のスタンプを押して遊ぶ たわいもないソフトだったが、音も一緒に出るので非常に面白くちょっとした感動があった。まあ最初の感動なんてこんなもんだ。
他のアプリケーションソフトもこの手のケースで多数保存
Windowsが広く浸透すると、高機能ソフトが登場し始める。Photoshopは高額で買えなかったので、Adobe Photoshopの機能限定な廉価版やPaintShopProを使用する。特にPaintShopProはPhotoshopをライバルにしている感じで、低価格高機能ソフトとして多くの欲求を叶えてくれた愛用ソフトだった。よって当時の画像加工はPaintShopProを多用した。
注)アイキャッチ:Z’s STAFF KiD98のパッケージ、暫く押入れに眠っていたが、引っ越し時に廃棄してしまった。