フェイスブックの失墜
Sheera Frenkel & Cecili kang 著/長尾 莉紗 北川 蒼 (訳) 早川書房
創業者マーク・ザッカーバーグの「醜い真実」と称された本。
文章が単調で苦痛だった。話が全然面白くない!苦痛に耐えながら暫く読み進めた。第3章あたりから面白くなって読み進められたけど、後半を過ぎるとまた単調な文面で苦痛が続いた。自分の好む内容なのは確実なので、文章が面白くないってことだ。著者のせいか?翻訳者のせいか?
それなら読まなきゃいいじゃないか!と言われるけど、知りたい好奇心もあったからだ。これは内部暴露本だ。マーク・ザッカーバーグの功績をたたえる箇所なんか殆どない。
一言でいうなら、FBの投稿記事はフェイクニュースの蔓延で情報管理や規制がまるで出来ていないってことになる。トランプ大統領選の政治的フェイクニュースから誹謗中傷やデマの拡散など…。
女性二人の筆者は何を伝えたかったのか?「ザッカーバーグけしからん!」と言いたかったのか?マーク・ザッカーバーグ、シェリル・サンドバーグの2人がFBを牽引し、2人について多く書かれてあるが、ザッカーバーグの15歳年上の女性 サンドバーグは今年秋にCOOを退任している。
数年前のベストセラー「GAFA」に記載されているが、FBに自分の個人情報を登録して友達と繋がって、せっせと更新して友達に「いいね」を押す・・・150回押せば、あなたの嗜好と情報は丸裸にされる。・・・このことが本を読むと理解出来る。
FB利用者は比較的年齢層の高い人が多い。FBは使わなくても子会社のInstaを使っている女子は多い。いづれにせよ我々は個人情報ありきの趣味嗜好をせっせと蓄積している。是非は個人の感じ方しだいだ。
いつも思うことだけど、日本の情報がアメリカ企業に殆ど把握されている。Googleサービス利用によるあらゆる情報、YouTube閲覧による趣味嗜好、FBやInstaの個人情報、Microsoft AzureやAWSなどのクラウドサービス活用による日本企業のビジネス情報・・・考えてみれば日本の情報って丸裸になって牛耳られている。ここは是非ともITに長けた政治家がIT活用を推進して欲しいところだけど、そういう人に限って政治に関心ない人が多いのも事実。
フェイスブックの闇は何となく理解できた気がするが、読んで気持ちの良いと言えない本だった。
オキュラス社を20億ドルで買収し、VR事業に舵を取りメタ社に社名変更までしたけど、期待した実績を上げられていない。今のVRゴーグルが劇的に小さくならない限り普及は厳しいだろうな。