資生堂がテレビCMをデジタルにシフトすることをご存知だろうか。
綺麗なお姉さんとタイアップ音楽で昭和の時代から親しまれてきた資生堂のCM。宣伝費に年間2400億投じ、テレビCMは1900億円に及ぶとか。
40歳代後半以上の方なら分かると思うけど、当時 資生堂とカネボウがテレビCMで競いあった。タイアップ音楽はその年間売上チャートにランクインされた。
「罪なやつさ、あ~パシフィック、碧く燃える海♪」
「燃えろいい女、燃えろ夏子~♪」
「君のひとみは1万ボルト 地上に降りた最後の天使♪」
・・・テレビCMが時代に華を添えてくれた。
資生堂の資料にも記載されているんだけど、やはりコロナの影響が大きいようだ。
その資生堂が2023年度には90%から100%にデジタル広告に移行することを目標に掲げている。(全資料は資生堂の2020年 第2四半期 決算説明会から引用)
90%から100% デジタルに移行ってことは、2023年には殆どテレビCMを見ることが出来なくなるってことだ。そう言えば、最近の化粧品CMは印象が薄い。流れていたっけ?
上の表の1番「事業ポートフォリオの再構築」売れない事業部は売却撤退・・・時期は2020年度、2021年度 まさにコロナ禍の今じゃん!
2番目「収益性の改善」に中国の文字が見えるが、やはり利益を確保するには中国の存在は大きいってことが分かる。国内は事業の再構築となっている。
3番目「デジタル変革」を見ると、2023年中にはデジタルに移行を完了させる目標だ。
デジタルに移行って何?
テレビCMを流さなくなるならどこで商品を宣伝するの?
デジタルに移行っていう意味はネットに移行するってことだ。
同時にEコマースにも2023年には25%にするべく力を入れていくとか。販売の4分の1を店頭販売からネットに移行するってことだ。
尚、資料では中国に関して50%と記載されている。中国の存在はやはり大きい。
資生堂がそうであるならカネボウもコーセーも同様に移行して行くだろう。勿論、他の化粧品メーカーも。昭和の化粧品CM戦争を知っている世代にとっては何とも寂しい。
しかし、既に若い世代は歌謡曲とタイアップした化粧品のテレビCMを全く知らない。
若い世代は、ネットが流す化粧品の広告が当たり前と感じることになる。これも時代の流れと受け止めるしかないのか。
資生堂に限らず、既にネットに移行して収益を上げている企業は多数登場してきている。
テレビCMは効果は非常に高いが、何せ広告費がべらぼうに高い。やり方次第では、ネット広告の方が対費用効果が圧倒的に効率が良いことを企業は勉強している。
まあ、早かれ遅かれネットにシフトするのは時間の問題だと誰しも思っていたが、コロナのせいで一気に加速してしまった。10年かかるところ1年に短縮された感じだ。