GWの前半で再度一気に2013年前のテレビドラマ「ディナー」を見た。全話を通じて9話と10話が好きだが、今回は雇用に通じるところがある10話に関して記します。
全然グルメでない自分が料理ドラマが好きなのは、料理を創作する料理人に憧れているのかもしれない。
過去に おいしいテレビドラマ でも紹介している。
今ひとつ売り上げが低迷している Roccabianca(ロッカビアンカ)は、今月も赤字(30万円ちょっとだが)が続く。大きな要因は食材費を全く気にせず購入するシェフ(江口洋介)が理由だ。支配人(倉科カナ)はシェフに食材費を下げることをお願いするが、拒否される。そこで、少しでも売上げを改善するためにランチを行うことにする。
銀行から2億円の融資を受けていたが、3ヵ月の返済が遅延。残り1億円の返済のため銀行から財務調査が来る。3日間の収支状況の確認を行い、改善の見込みがない場合、店舗の差し押さえ、即ち閉店を言い渡される。
ちょうどランチを開始することと話が重なり、銀行マンは状況を観察することになる。
一流レストランのランチが1,500円で食べられる。これなら絶対いけると笑みがこぼれる。
スタッフは朝から仕込みを行い、初日のランチで数万円の売り上げを確保するが、食材費、人件費、高熱費を考慮すると3千円程度の利益でしかなかった。「朝から働いて3千円?」スタッフは落胆する。
ホール長(ユースケ・サンタマリア)は、自分がこの店で一番長く勤め給料も高いので、店を辞めると言い出す。「瀬川さんは残るべきだ!」と、スタッフらは自分の給料をカットしてもいいから辞めないでと言い出す。
銀行マン(勝村政信)は、「食材費を下げないと店が持ちません」と再度、再三とシェフに忠告するが、シェフは聞く耳を持たない。
スタッフはランチのチラシをまき、売り上げを出そうと頑張る。
そんな中であっても、相変わらず食材のコストに意識せず、高級食材を買ってくる。
銀行マン「この店はベテラン料理人が多く、人件費が掛かりすぎます。人件費の低い若手の料理人に入れ替えるべきです」
支配人「それはできません」
銀行マン「食材費がかかりすぎます。食材費を下げるべきです」
シェフ「それはできない」
銀行マン「収支状況の改善がなければ店は確実になくなります」と告げられる。
チラシの効果と口コミも効いて、そこそこ行列は出来るようになった。
初日に比べ倍以上の売り上げとなったが、やはり食材費、人件費がネックでランチの利益は9千円程度の利益しか出なかった。
やはり銀行による差し押さえになるかと思いきや、銀行マンはこんなコメントを述べた。
「この店は改善の見込みが見受けらます」
銀行マンは続けた。
「この店は目先の数字に迎合せず、徹底したブランド戦略で新たな顧客を獲得しています。私は支出を減らすことしか考えていなかった。この店には料理とサービスとチームワークがある。私は数字に表れない資産価値を見失っていました」
新規6組のディナーの予約、そして結婚式2次会の立食パーティー100人の予約があったのだ。
ドラマと言えばそれまでだが、一般の会社でも共通することは幾つもある。良い仕事をすること。仲間を大切にすること。
良い仕事をすること、私は若かった頃は「とにかく良い仕事をすること」だけを優先していた。
しかし、年齢を重ねると人の考えは変わってくる。良い仕事をするためには、仲間を大切にすることが最優先項目の一つであることを。まさにチームワークという言葉だ。
10年前、今のようにチームワークという言葉を重要視出来ていたのなら、間違いなく30名以上在籍する会社になっていたはずだ。
言い訳が許されるなら、あの頃は、仕事が全くないリーマンショック後だったから…。その穴埋めで低空飛行だった。生き残るのは楽じゃない。
でも、過ちは繰り返さない。これからは、次世代の若い人たちに夢をあたえなくちゃね。