トップの写真は、まだシャープがAQUOSで攻めていた10年程前の家電量販店のフロア。
話は遡って私が大学生の頃は、日本の電気製品は世界に髙く評価され、秋葉原に出掛ければ日本製品の独壇場だった。
品質が良い日本製は一般家電は勿論、オーディオ製品も海外製品を買う選択肢なんて殆どなかった。日本製のほうがアフターサービスを含めて優れていたからだ。
その後、秋葉原電気街はパソコンの街に徐々にシフトしていく。勿論、一般家電もまだまだ日本製品は健在だ。
液晶テレビを初め、低価格高品質で進出する海外製品の台頭により、次第に国内電気メーカーの力が衰え、気がつくと秋葉原はメイド喫茶・AKBを筆頭とするアイドル、アニメ・フィギュアの街に変わってしまった。
今の秋葉原しか知らない人なら何が違うの?だろうが、当時は食事をする店も無く秋葉原に出掛ける前は食事してからでないといけなかった。店舗は全て電気関係、裏路地も電気関係、部品パーツ専門店なんて珍しくなかった。まぎれもなく秋葉原は世界一の電気街だった。
秋葉原電気街が電気街で無くなってから随分の年月が経過している。
当時を知るものとして正直非常に寂しい。あの圧倒的に強かった日本の電気メーカーが何故これ程まで変わってしまったのか?
80年以降、メーカーは製造コストを抑えるために、国内の高い人件費から安い人件費を求め、中国・台湾などに進出した。アジア諸国に進出することが、企業にとって一種のステータスにさえなっていた。
結果、自ら日本の技術ノウハウを流出させてしまう。
東芝が1969年から48年間も続いたテレビアニメ「サザエさん」のスポンサーを降板することになり、その後のスポンサーに日産、アマゾンジャパン等に決まった。
当初、サザエさんは東芝一社独占スポンサーだった。自分が小さい頃の記憶にも残っているが、番組冒頭かエンディングに「サザエさんは東芝がお送りしました(します)」と言っていたもんだ。
シャープが2018年3月期の利益予想を上方修正した報道があり、この短期間によくぞ復活したかと思うが、今のシャープは日本の企業と呼べない。シャープを買収した鴻海(ホンハイ)精密工業は、世界の有名メーカーの下請けとして成長した企業だ。
世界はグローバル化している。
これも時代の流れと諦めるしかないのか。悔しいよなあ…。