イーロン・マスクとは何者か 著:桑原晃弥 リベラル社
ちょっと店頭で本をパラパラめくって面白そうと思わず買った。
ツイッター社を買収する/しないの本との実際のタイムラグはあるが、イーロン・マスクはどんな人物かを大雑把なりに理解できる。
宇宙開発企業スペースX創設者およびCEO、電気自動車企業テスラの会長兼CEO、ジェフ・ベゾスを抜いて世界長者番付第1位とか。
アップル/週90時間喜んで(本物を真似た市販Tシャツ)
スティーブ・ジョブズの「週90時間喜んで Tシャツ」の思想を超える週100時間の超ハードワーカー思想の持主だ。情報ネタが違うけどマスク自身は週120時間働くとか…(いったいいつ寝るんだ!? 会社の工場の敷地に寝袋持ってきて寝たりする)
スペースXやテスラの幹部や従業員に「週40時間出社しない人は在籍放棄とみなす」、週40時間出社ってことは、リモートワークするなってことか?
彼はテレワークを否定している。偉大な製品はテレワークで生まれない。「世界を救う」ことはテレワークでは不可能だと説く。巷ではジョブズと比較されるが、もしジョブズが元気ならマスク同様にテレワークを絶対認めなかったと思う。
マスクは「こうした要求(テレワーク禁止)をしない企業が、彼らが最後に偉大な新製品を出したのはいつか?」とも明記している。多くの若手は、自分の会社や上司が この思想に影響されないか心配すると思う。
50代以上の人はテレワーク否定派は少なくない。本来なら出社して働きたいと思う人は多いと思う。20代30代の多くの人は時代錯誤だと反論する。もう世代の違いだな。であれば、20代30代の起業家がリモートワークにより新しいイノベーションを起こし実証させるのが一番だと思う。
本にはテレワークなる働き方は、GAFMAなるグーグルやアップルでも見直す動きが出ていると書かれている。
イーロン・マスクの考えは超ブラック企業感たっぷりだけど、ジョブズの頃のアップル社員の離職率は意外なことに低かった。それは偉大な目標と強い達成感があったから。「宇宙をへこますんだ!」と言うリーダーの存在があってこそだ。ジョブズがアップルを去ったあと、残った社員は強いリーダーシップの登場を待ち望んだとさえジョブズ本には書かれてあった。
このマスクの考えをトヨタやNTTが日本の世論を無視して行ったらどうなるだろう?週100時間は行き過ぎとしても、かっての日本のように週60時間労働、全社一丸全員出勤・・・なんて意識が戻ってきたら再び日本経済は大きく浮上するかもしれない。それで所得が上がり国力も上がる、その可能性があるなら若者だって考えを見直すのかも?
そもそも時代に逆行して無理なのか?
マスクの「人類を救うのはハードワークが必要だ」の是非は別として、凄いのは彼は本気で人類の未来を良い方向へ変えようとしていることだ。
日本が強かった頃、どこの会社も夜遅くまで働いた。その分よく遊んだ。飲食・酒場も盛り上がる。時代が異なると言われればそれまでだが。
私には真似出来ないが心意気は称賛したい。クレイジーと言われながらも実行するマスクはやはり凄い。ウチの会社はどうかって? ほぼ残業無縁の労働環境だ。これでは偉大なイノベーションは生まれないだろうな(笑)