1994年~1998年
今やネットスケープナビゲーターを知らない人のほうが多いかもしれないが、元祖ウェブブラウザとしてWindows3.1の頃は圧倒的な人気があった。
当時 アメリカは もっとスーパーコンピューターを導入すべきと、スーパーコンピュータ応用研究所 NCSA(National Center for Supercomputing Applications)が設立され、イリノイ大学、コーネル大学、プリンストン大学など全部で5つの大学にスパコンが導入された。
その一つのイリノイ大学のマーク・アンドリーセンがエリック・ビナと2人で文字と画像を混在して表示できるウェブブラウザ Mosaic を開発し、ネットに公開したところ 瞬く間にモザイクは使用された。この関係もあり NCSA Mosaic の著作権はイリノイ大学のNCSAにあった。
NCSAは、マーク・アンドリーセンとエリック・ビナに権利を与えなかった。マーク・アンドリーセンは学部卒業とNCSA退職(彼らは決別の意識、大学側は権利を主張する面倒な人物の意識)後、シリコングラフィックス社の創業者ジム・クラークから声がかかりモザイク・コミュニケーションズ社を立ち上げ、モザイクの後継となる Netscape Navigator を公開する。
私はモザイクの存在だけは知っていたが、実物を見たことも触ったこともなかった。但し、その後継となるネットスケープナビゲーターは最初に経験するブラウザとして大いに活用した。
話はややこしくなるが、NCSA Mosaic はスパイグラスにライセンスを任せ、更にマイクロソフトがそこからライセンスを受け Windows95 の発売に向けて Internet Explorer を開発することになる。
そんな訳で、このあとブラウザの激しいシェア争いとなる Netscape Navigator と Internet Explorer の起源は同じ Mosaic となるのだ。その過程となるスパイグラスとマイクロソフトのライセンス供与の交渉なる駆け引きが物凄かった。マイクロソフトを嫌いになるくらいだ。
1996年だったか年代の記憶は曖昧だが、私は Netscape Navigator Gold を8千数百円で秋葉原のPCショップで購入している。今でも価格を覚えているのは、ブラウザソフトに1万円に迫るお金を出して購入したからだ。当時、後になって何故ブラウザに8千数百円も出して購入したんだろう?と思ったもんだ。
店頭には「Netscape Navigator Standard」と「Netscape Navigator Gold」の2種類が平積みしてあって、機能が豊富のほうが良いと単純に思い、青い箱でなく金色の箱を選んでしまった。Gold は電子メールとHTMLエディタ機能を備えていた。
残念ながら私はGOLDの機能を使用することはなかった。何故か当時は満足なマニュアルが一切なく、どうにもこうにも活用方法が分からなかったのだ。そもそも何故HTMLエディタなんか付いているの?と思ったくらいだ。恐らく学術論文アップにHTMLエディタを使用するのかなあ~とは思ったが、私が使用するはずがない。
これならStandard版を購入しておけば良かったと後悔したが、ともあれ Netscape Navigator は圧倒的な人気があったことは間違いない。
Windows95登場後、マイクロソフトはインターネットに大きく舵を取りだし、Internet Explorer と Netscape Navigator は激しくシェア争いを行うことになる。
最初 Netscape Navigator を愛用していた私もIE4の頃だろうか?市場は次第に推奨ブラウザがIEとなったためもあり、気が付くと慣れ親しんだ Netscape Navigator を捨てて Internet Explorer に乗り換えていた。マイクロソフトのビジネス戦略は まさに Netscape Navigator 潰しの感があった。