自分コンピュータ史

146 マクロメディア、FLASHの隆盛

1996年~2020年末サポート終了

「144 オーサリングソフトの雄、Macromedia Director」の続編になるかな。
Macromedia Dieectorの使い方は何となく把握したものの、制作ツールとしてのDieectorは、機能豊富ゆえ重装備なソフトウェアだった。1996年にMacromediaはアニメーションソフト開発会社を買収している。それがFlashの始まりだ。

当時、市場はチープなアニメーションGifが流行っていたが、Flashは完成度の高いお洒落なアニメーションが簡単に作成可能だったため瞬く間にFlashは人気ソフトになっていった。


macromedia FLASH5(2000年10月)

Macromedia Directorは188,000円と高額だったたが、macromedia Flash5は2000年発売時は39,000円だったかな?価格は大きく下がった。Directorの操作に慣れていたお陰もあって、比較的抵抗なく覚えられた。このソフトは購入額以上に使用した。

Macromediaは、Flashの他に Dreamweaver、Freehandなどの製品を抱えていた。どれも完成度は高く非常に優秀なソフトだった。これらソフトをクリエイターを目指す多くの人は愛用した。


macromedia STUDIO MX(2002年)

とても良質のデザインツールだったため、その後ソフトが一体となったmacromedia Studio MXを購入している。

1:Dreamweaver : ウェブサイト制作ツール
  ※ Adobe GoLive
2:Flash : アニメーション、インタラクティブサイト制作
  ※ Adobe LiveMotion
3:Fireworks : 画像編集ソフト
  ※ Adobe ImageReady(後にPhotoShopに吸収される)
4:FreeHand : イラスト・デザイン処理ソフト
  ※ Adobe Illustrator
 
※印:Adobe製品名はそれと競合するAdobe製品名を記載


今も自宅に眠るmacromedia STUDIO MX2004(2003年発売)

これらはウェブ制作やウェブデザインを行うクリエーターにとって非常に人気があった。その後、私は何を迷ったのか会社を立ち上げてしまった。システム開発中心ではあったものの、ウェブ系の仕事も請けることになり、macromedia Studio MX2004を多用することとなる。通常版は98,000円だったかな。AdobeCS製品より若干価格は低いが、購入するにはそこそこ決心がいる価格だ。

ちなみに2012年に発売されるAdobe CS6(Creative Suite 6)は、Design Standardで16万ほど、Design & Web Premiumなら24万円ほど、Master Collectionになると30万を超える。多数のソフトがパッケージ化されているけど半端ない額だ。人によっては全く使用しないソフトも当然ある。Adobeは強気な価格設定だよねぇ。

DirectorからFlashへ

マルチメディアが下火になると、市場は重装備なDirectorより軽いウェブサイト用のFlashによるアニメーションに大きく移行していく。いつしかDirectorを通過しないでFlashから始める人の方が多くなる。


面白おかしく覚えられた当時の入門シリーズ本

DirectorとFlashのタイムラインイメージはmacromedia内で似たように作り直したのかもしれないが、ルック&フィールはかなり似ていた。中途半端だったけど、これまでのDirector経験が役立ち、自分の理解度はかなり早かった気がする。

FlashにはActionScriptなる言語があって複雑なアニメーションを制御してくれた。画像が動くから面白くて仕事に趣味にとFlashを使ったもんだ。派手な演出が出来るFlashアニメーション制作に憧れた人は多かったが、ActionScriptは意外と奥が深く挫折する人は少なくなかった。プログラム概念が理解できないとなかなか使いこなせないんだ。


はじめてのActionScriptなる入門書(2002年)

上の画像はActionScriptの入門書、今も本棚に残るもっとも自分の役に立ったActionScript入門書だ。左下側の画像を見れば分かるが完全に言語体系だ。複雑な箇所はこんな制御が至る所に何十行と記述するんだ。言語開発経験がないと、やっぱりちょっと戸惑うよね。

ActionScriptを使わなくてもアニメーションは作れるが、凝った演出となるとやはりプログラム制御が必要だった。

この頃、私はActionScriptを一生懸命覚え、アニメーション制作に多くの時間を費やした。リッチコンテンツなんて言葉が流行りだしたのもこの頃だった。


Illustrator10.0 2001年/Photshop5.5 1999年

AdobeはPhotoShopとIllustratorなる強力なデザインツールを取り扱っていた。
当然ながらAdobeとMacromediaはライバル関係にあった。2005年 両者は交渉の末、MacromediaはAodobeに34億ドルで吸収合併され幕を閉じる。大抵のクリエーターは両ツールを多かれ少なかれ経験していたこともあって、ツールの行き交いが便利になり比較的混乱は少なかった。

私は圧倒的にMacromedia派であったため、正直言えばライバルとしてAdobeとしのぎを削って欲しかった。
Macromedia Flash は Adobe Flashとなって暫く隆盛を極めるんだけど、その隆盛は2007年にiPhoneが市場に登場すると徐々に雲行きが怪しくなっていくんだ…。

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