私の住まいの近くも関係するが、柴又帝釈天界隈は数えきれないほど行っている。
今年の12月27日にいよいよ第50作目「男はつらいよ」が封切される。
何てったって主役の渥美さんが亡くなっているにも関わらず、主役が生きている設定で新作が作られるんだから凄い。第1作目公開が1969年だから何と50年だ。そして今回が50作目。(実際は全部で48作だ。49作目は第25作のリマスター版)
こちらは葛飾区亀有にあるアリオ内の1階の大通路。比較的近くにあるため良く出かける。
私が20代~30代半ば頃の寅さんシリーズは全盛を迎えていた。この頃に映画館で封切りしていたことは確かに記憶している。
しかし、映画館で「男はつらいよ」を見たことは1回もなかった。「フーテンの寅」に全く興味がなかったからだ。まともな仕事もせず、日本中を旅しているスタイルは駄目な男の見本と思っていた。
確かに駄目人間だが、いつしかこの生き方も一つの生き方と思うようになり、いつしか寅さんシリーズ全作品を見るように至った。東京下町風情が似合う柴又に興味が沸き、昭和の人情を感じられる映画だと思うようにもなった。勿論、寅さんの生き方は現代では不可能だ。
こんな生き方でまともな人生が送れるずがない。まさに真の半面教師だ。でも憎めない・・・それが多くの人の共通した意見だと思う。だからこそ50作目が公開に至ったのだろう。
こちらは少し前の写真になるが、11月2日~3日 今年で5回目になる寅さんサミット。毎年出掛けている。
寅さんサミットの良いところは、昔のスクリーンの関係者と今でも会えることだ。ステージ中央は山田洋次監督だ。
多くの人が集まるが、若いほうで40代 50代以降の層が中心だ。70代の層も少なくない。30代以降は大きく減少する。子供はいるがそれは親につれらてくるからだ。20代の層はかなり少ない。
あちこちに寅さん風の人を見かける。見かけた寅さんスタイルの人達が取り出す携帯電話は全員ガラケーだった。この日のためにやってくるのだろう。柴又駅前にも何人も見かけた。
ズラリ19の映画ロケ地が集合、地元の出店を含めて26のテントが並ぶ。映画ロケ地の名物を食するのも楽しみのひとつだ。
昨年も見かけました! ひろし と リリーさん(笑)。
小さな子も・・・子供が寅さんに影響されたと思えない、間違なく親が寅さんファンなんだろう。
宮崎日南のみやざき地頭鶏(みやざきじとっこ)網焼き、物凄い量の地頭鶏冷凍パックが用意されていた。このパックは2日間で売り切れるのだろう。沢山売れるから毎年参加されるのかな?店の人曰く、この時だけ東京に来るとか・・・。ここに出掛けてくることだけでも大変だ。つい匂いにつられて買って食べてしまった。
映画ロケ地の19地域の出店を含めた26のテントが立った。唯一の海外ロケ地 ウイーン。正直、寅さんのイメージとウイーンは全く似合わない。41作目の竹下景子マドンナの海外ロケ地 ウイーン市も私の記憶が正しければ昨年も一昨年も参加している。参加したロケ地は次回も参加するようになり毎年ロケ地出店が増えている。
山田洋次監督、さくら(倍賞千恵子さん)、ひろし(前田吟さん)、源ちゃん(佐藤蛾次郎さん)による座談トークショーなんかもあった。
みんな歳とった。山田監督は紫のマフラーとサングラス姿でなかなかダンディ。杖を必要としているが 88歳にしてもなお映画を制作し、生涯現役を貫く姿勢が凄すぎる。山田監督は昭和の風景を後世に伝えるべく頑張っているとか。第1作目を作ったとき、50年も経ってこうしてステージで挨拶をする自分を想像できなかったとか。そりゃそうだろう、誰だって想像しなかったはずだ。
尚、松竹社長によればロードショーの他に大阪を舞台の残作も用意しているらしい・・・。