ご存じの人も多いが、今や世間では OpenAI社の ChatGPT の話題で持ちきりだ。
何気なく見ていた情報7DAYSニュースキャスターでも ChatGPT を紹介し、ドラマ脚本を ChatGPT に書かせていた。安住紳一郎さん 三谷幸喜さんらがその感想を面白おかしく対応していた。この技術、笑い事じゃないんだけど。
マイクロソフトは一兆円を超える投資を行い、AIによる新しいBingを発表する。グーグルは最優先重要事項として急遽2月7日に「Bard」を公開する声明を出した。3月21日には米英でBardのプレビュー版を公開した。
何だこの異常な速さは。
メタバーズなる仮想現実はイマイチ感が多々ある中、AI技術は確実にビジネスになると認められ、一気にAI技術が加速する感じだ。事実加速しているんだけど。
実際に ChatGPT を試せば分かることだけど、まるで人間とチャットしている感じだ。但し、質問した回答は正しいと言えなかった。弊社の事業内容は正しかったけど事務所は恵比寿だった(笑)。まあ、この手の精度は時間が解決してくれる。
知らないうちに弊社スタッフも、「これ便利です」と、ウェブプログラミングのロジックチェックに使っていたりする。便利だけど個人的に末恐ろしい。
したたかなマイクロソフトが OpenAI社に投資を行っているから、いづれMS365製品やOffice製品(ワード、エクセル、パワポ)に導入されること間違いない。指示を出せば、文章や図表を自動生成してくれる日は来る。
「〇〇〇に関する▲▲▲の統計資料が欲しいんだけど」と指示すれば、エクセル君が図表付きで目的の資料を自動生成してくれる日が来るだろう。もはや妄想でないことが怖い。
プログラミング開発も同様だ。既に簡単な自動処理なら手順を指示すればプログラミングしてくれる。嘘みたいな本当の話だが、現在存在するソースコードの間違いさえ指摘してくれる。感心すると言うより恐怖さえ感じてしまった。
ウェブサイトも自動生成してくれるらしい。勿論、今は非常にチープなサイトしか生成出来ないため、とても商用公開なんか出来ないようだけど、これも時間の問題だろう。WordPressで制作しているウェブクリエーターは恐怖におびえる。
昨年話題になった Stability AI社の Stable Diffusion なるAIソフトを利用すれば、イラストや絵を自動生成してくれる。これを見て震え上がったクリエーター達は絶対多いはずだ。イラストレーターへの仕事が激減するからだ。
こんな時代を生き残るにはどうするか?
これらAIツールの登場でスキルは2極化する。ある程度のところまでAIツールに任せ、それ以上(人間の感性が必要となる領域)は人間が補完する。AIソフトでベースを短時間で固め、より高い領域を人間が完成へと導く。
人間は上流工程に進むしかない。よって、プログラマーもクリエーターも更に高い専門性が必要になりそうだ。う~ん、ますます生き難い時代になりそうだ。
でも、必要以上に心配する必要はないかもしれない。
数十年前にオフィスコンピュータが登場し、企業はオフコンを導入した。一気にOA化が進められ、ペーパーレスと事務職の半分は不要になると大きく報道された。みんな戦々恐々としたもんだ。
しかし、結果はそれに代わる仕事はそれ以上に増えた。
但し、働き方は変わって、OA機器(今でいうPC群とそれを取り巻く環境)を使いこなし、更なる上流工程へ質は大きく変わった。
この業界に長くいる私でも思う。やみくもに技術が急速に進むことが正しいとは思えない。このスピードで100年後に人間が安らかに住める地球は存在しているのだろうか?