自分コンピュータ史

119 コンピュータ巨大企業IBM

自分が知る巨大企業IBM

私がIBM大型コンピュータを触ったのは、1980年代前半 大型汎用機全盛時代の金融・証券・損保・信販系のシステム開発の頃になる。IBMは富士通・日立の大型汎用機メーカーのその上に君臨する絶対王者だった。

主に科学技術計算はFORTRAN、事務計算はCOBOLだ。FORTRANはIBMが開発した世界最初の言語。当時の科学技術計算は建築や橋梁の計算に必要だった。空調の効くマシンルームで磁気テープがクルクル回っていた頃だ。古ッ!😁

アメリカ政府の事務処理言語の殆ど全てはCOBOL言語だった。当然、日本の事務処理言語も殆どはCOBOLだ。そんな訳で私が最初に経験した開発言語もCOBOLであり、40年以上を経過した今も尚、金融・損保案件はCOBOLが活躍しているとんでもない言語なのだ。


IBM製品群/クリックで拡大

1995年頃を思い出しながら自分で分類してみた。綺麗に4つに分かれる。オフコンは日本だけの呼称で米国ではミッドレンジ群の上位、ミニコンに位置する感じかな。現在IBMはビジネスアプリケーションサーバーと呼んでいるようだ。【021 オフコンとRPG

どっぷりこの業界に在籍しているお陰もあり、表1段目のメインフレームは長い開発経験がある。表2段目のAS/400は少しだけ携わった。RPGと称するIBM独特言語が提供された。私が新入社員の頃からCOBOLもRPGも時代を超え今もなお需要はある。案件情報でも頻繁に目にする。

表3段目のミッドレンジ SYSTEM/88の経験は無いが、私は本家ストラタス社のノンストップ・コンピュータの開発経験がある。恐らく似たり寄ったりのUNIX風なOSだろう。表4段目のPCは当然十分経験している。

眺めてみるとどれも大なり小なり使用経験がある…う~ん(笑)。

IBM、PC分野へ進出する

IBMのPCの展開を語る前にCPUの話をしておかないと理解が深められない。

まず、1971年 日本企業のビジコン社がインテルに依頼した i4004 4bit CPUから始まる。
042 インテル4004と電卓のビジコン社
まさに電卓から始まるのだ。1974年に i8080 8bit CPU が登場し、マイコンレベルとなる。マイコンはたいして役に立たなかったが、i8080 搭載のマイコンに未来を感じた若き英雄たちはいた。
043 i8080とZ80 マイコンブーム
044 ビル ゲイツとスティーブ ジョブス

8bitのi8080の次が16bitのi8086になる。このi8086の廉価版がi8088だ。IBMが最初にPCを登場させたのもこのi8088だ。
053 IBM-PC 5150の登場で変わる市場
天下のIBMがi8088を採用すると瞬く間にIBM PCは世界標準になった。やはりIBMはPC分野でも凄かったのだ。そんな訳でPCメーカーは廉価版ではない高速なi8086搭載のPCを発表する。

ここで表にしてみた。


IBM PC と CPU の関係/クリックで拡大(PDF版)

IBM初代PCの登場は いきなり16bitで登場し、PC/XT、PC/ATと性能を向上させていくが、頑なに16bitマシンを守ってきた。マイクロソフトとのDOS共同開発時は、しがらみの無いマイクロソフトとIBMは大きく意見が食い違った。
IBMはメインフレーム、オフコンの重要なユーザーのPC互換を守るため簡単に32bitに移行できなかったのだ。

それが1987年に大転換する。80386搭載の32bitマシン IBM PS/2 を投入するのだ。OS/2も発表するのもこの頃だ。
072 米IBMのPC と 日本IBMのPC

これがどうしたかって?
まだこの頃のメインフレームは32bitが活躍する時代だからだ。おもちゃのマイコンが高性能PCへと どんどん進化し、神の如く君臨していたメインフレームに急接近していくのだ。面白くないはずがない。

ピックアップ記事

  1. 054 日本も負けちゃいられない”16bitPC発売
  2. 051 うたかたの8ビットパソコン
  3. 044 ビル ゲイツとスティーブ ジョブス
  4. 069 マイクロソフト Windows1.0 発売
  5. 085 ジョブズの本気、世界を変える

関連記事

  1. 自分コンピュータ史

    022 オフコンの価格と性能

    当時のオフコンの価格と性能を知る事は、今のコンピュータのそれを知る…

  2. 自分コンピュータ史

    030 デュアルとデュプレックス

    これまでの記載してきたようにノンストップコンピュータとは、仮に障害が発…

  3. 自分コンピュータ史

    009 紙カードとパンチマシン

    パンチカードの紹介をしたが、その紙カードに穴を開ける機械が必要だよ…

  4. 自分コンピュータ史

    053 IBM-PC 5150の登場で変わる市場

    1981年~1979年、80年、81年と各社メーカーが8ビット…

  5. 自分コンピュータ史

    120 IBM メインフレームOS/MVS

    1960年~1990年頃IBMオペレーティングシステムIB…

  6. 自分コンピュータ史

    074 ジョブスが追い求めた理想なるPC

    1988年~1993年既にコンピュータ業界ではスティーブ・ジョ…

カテゴリー

OM社長 徒然ブログ1

OM社長 徒然ブログ

タグ分類

業界回想記事

私的業界記事

私的感慨深い記事

歴史的記事

PAGE TOP