流通システム/物流システム徒然記
前回の内容をさらに繰り返します。
前回までは1製品、1出荷先だったので、とても単純明快でした。
しかし、現実世界で1製品、1出荷先ってことは、まずありません。
製品と出荷先を少々増やしてみます。
手順は前回と同じです。
(1) 売上げ好調、麒麟印マホービン社からインターネットで入荷データを受信しました。(2009年10月16日とします)
まもなく製品が到着します。
(2) 倉庫に製品が搬入されて来ました。
先ほどの受信データと実数量が合っているかチェックします。数量確認後は検品チェックを行います。
今回の製品の外箱に大きなへこみが見つかりました。
上の表、入荷日2009/10/16の2ラインが本日の該当データです。
ダメージ品はひとまず一時保管エリアに置き、残りの正常品を入荷計上します。
在庫マスタも載せます。前回記載の数値を含めた、今現在の在庫です。
(3) 本日も入荷と平行してヤマト電気さんと他3社から 麒麟印社へ注文が入ります。
注文を受けた麒麟印社は、クー倉庫株式会社に上記の出荷指示データを送信します。
「 この製品を指定先にXX個配達しておくれ 」のデータです。今回は出荷先量販店を4つにしました。
(4) クーペンギン倉庫はデータを受信後、在庫管理システムから自動引き当てを行います。
今回 トランザクションなるデータを登場させます。
トランザクションとは、一連の業務処理における取引データを意味します。
ちょっと難しい言葉ですね。
銀行や証券会社のオンラインで発生する取引データもトランザクションデータと呼びます。
例えば、あなたが銀行でお金を引き出した場合も その時点の取引データが発生します。
それがトランザクションデータです。
まあ、ピンと来ないかもしれませんが・・・システム開発に関係ない人は知る必要はありません。
当システムの、出荷トランザクションデータは全てマイナス値で1件づつデータが作られることとします。
と、書いた理由は、システムで色々な方法があるからです。
例によって先入れ先出しルールで古い入荷順から引き当てします。
これらは全てコンピュータで自動処理されます。
引当て直後の在庫マスタも載せます。全在庫数量を確認する場合は在庫マスタの方が把握し易いです。
(5) 前回同様に出荷指示書(ピッキングリスト)や必要書類をプリントします。
現場の担当者がピッキングリストを持って倉庫内で製品をかき集めます。
(6) かき集めた製品は、梱包や内容検品など一連の出荷工程を行います。
今回は出荷先が4箇所に分かれています。
出荷先に配送する仕組みはトラック物流会社に任せます。単純にヤマトさんや佐川さんを思い浮かべればOKです。
(7) トラックが荷物を載せて出発すれば、ひとまず出荷作業は完了です。ここで在庫を更新します。
在庫マスタも参考に載せます。
前回、前々回の説明と今回の説明で、流れが分かってきましたか?
まだまだ単純ですが、たった2製品/4出荷先だけでも、在庫管理が複雑になりそうな予感がしてきました。
それでは入荷製品を30製品/40出荷先に増やすとどうなるでしょう。
コンピュータシステムがなかったらパニック間違いなしです。
・・・その前に、今までの表の説明をします。