ベン・ホロウィッツ著「HARD THINGS」に興味深い内容が記されされている。
ホロウィッツは、マーク・アンドリーセンと一緒に一世を風靡したネットスケープのエンジニアだった。当時はネットスケープのブラウザの人気は凄かったんだよ。私も愛用していた。マイクロソフトのIEに撃沈されたけどね。
その後も業界では有名な人物なんだ。ちょっと紹介するね。
1996年にポイントキャスト(PointCast)なるインターネットサービスが存在した。

PointCast Network 2.0 β版
PointCastは指定したサイトを巡回し、主にニュースや株価情報を取得し、自動的に情報を届けるサービスだった。米国で始まり話題をさらい大注目され、1997年10月には日本にも進出した。
テック企業やAOLなどから10億ドル級の買収話があるも、CEOのクリストファー・ハセット(Christopher Hassett)は全て断った。買収に応じなかったのは、自分のサービスの市場規模を必要以上に大きく予想していたからだったんだ。
当時は大きな話題を集めたが、まだダイヤルアップ回線が主流の時代だった。ネットワークは今ほど発達していなかったため動作が重く、日々の情報の内容も面白みに欠け、徐々に企業もユーザーも利用しなくなっていく。
結局、PointCast社は2000年7月 投資会社に当時の評価額より遥かに低い額で買収され消えていったんだ。

当時の検索エンジンと検索連動広告overture、msn
1996年って言えばWindows95が登場し、複数の検索エンジンが登場し始める頃だ。Yahoo!(1994年~)、AltaVista(1995年~)、Infoseek(1996年~)、Excite(1997年~)などが健闘する。

1996年にYahooがNASDAQに上場した頃、Googleのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは自分らの検索エンジンの開発に一生懸命になっていた。AOLはCompuServeとProdigyを目標に勢力拡大を検討している頃だった。まだGoogleは存在していないから、個人的に検索する際はYahooを利用していた。
出力結果の精度がイマイチで、あまり検索エンジン自体に期待をしていない頃でもあった。
先に記したベン・ホロウィッツ著書「HARD THINGS」354頁の文章を引用すると、
買収に関して正しい判断を下すためには、次の質問に答えなければならない。
(a) 市場の潜在的規模は現在より少なくとも1桁以上大きいか?
(b) そこでナンバーワンになれるか?
もし答えが(a)、(b)ともにイエスでないなら、買収に応じることは検討すべきだ。両方ともイエスなのに買収に応じるなら、自分と全社員を安売りすることになる。
ホロウィッツに言わせれば、クリストファー・ハセットは自分の提供サービスの潜在的市場規模を見誤ったってことだ。
Googleは、検索エンジンを開発するが資金を確保するためAltaVista や Yahooなどに 100万ドルでシステムを売る話を持ち掛けたこともあったんだ。

Googleのペイジとブリンとシュミット
しかし、どこも応じなかった。Yahooらは検索エンジンそのものの市場価値を見誤っていたからなんだ。
それでも、二人は挫けずに性能に磨きに磨きをかける。Googleの検索機能は更に進化し、非常に高い評価を得ることになる。
こんどは複数の企業から買収や提携話を持ち掛けられるが、ペイジとブリンはこれに応じなかった。既に二人は検索の潜在的市場価値をしっかり理解していたからなんだ。とにかくGoogleの検索エンジンの完成度は凄かったからね。
買収を受け入れるか拒むか?
買収を断って成長した企業もあれば、タイミングを逃して消えた企業もある。これも大きな経営判断ってことだ。

ベン・ホロウィッツ著 2015年 初版















































