かんばん方式は世界中に認められた優秀な生産方式です。
かんばん方式、コンビニの受発注システム、そして宅配便システム、これらは日本が世界に自慢できる素晴らしいシステムだと思います。
そして、これらには物流システムと言う共通したキーワードが隠されています。
まさに物流を制する企業がビジネスを制しています。
流通システム/物流システム徒然記
前回の続きです。
クー式かんばん方式
(5)補充された容器は、新たに引き取りかんばんが掛かっています。
これを、以前のエリアに戻します。
(6)前工程エリアには、生産指図票と空容器が手元に残ります。
この生産指図票を基に生産を行い、空容器を満たします。
(7)所定の容器分の生産が終了したら、かんばん(生産指図票)を掛けてこの工程ラインの一番お尻に置きます。
これが、クー自動車部品(株)の基本的な流れです。
『なるほど仕組みは簡単だな。でも、クー自動車部品(株)って随分、原始的なことやっているんですね。』と思われるかもしれません。
いえいえ、クー自動車部品(株)だって実際の生産ラインはコンピュータとロボットを利用して自動制御を行っています。
よって、コンピュータ全盛の時代、かんばん方式は過去のものとなっています。
ここでポイントなのは、在庫はかんばん分しか発生しないってことです。
即ち無駄な在庫はありません。
更にかんばんを上手くコントロールすれば、徐々に在庫を減らすことだって出来そうです。
最大のメリットは、かんばんのおかげで視覚的に分析が出来ることです。
もしかんばんが無かったらこの在庫コントロールは極端に難しいものになってしまいそうです。
当シリーズの最初のテーマは『在庫を無くそう』と訴えてきました。
正直、在庫をゼロにすることは出来ません。そうではなくて、『不要在庫を無くそう』の意味だったんです。
かんばん方式の仕組みとその良さが何となく理解されたでしょうか?
しかし、まだ問題が無い訳でもありません。
かんばん方式は大量生産に向いていますが、今や多品種少量生産の時代です。
及び、ベルトコンベアに流れる作業は、どうしても単調な作業の繰り返しになってしまいます。
いわゆる工場労働者ってイメージがどうしても拭いきれません。
人間が仕事に自信と誇りを持つには、流れ作業は若干問題があるような気がします。
私なら『もっとクリエイティブな仕事をさせてくれ!』と、思わず叫んでしまいそうです。
実は・・・対極をなす多品種少量生産の時代にマッチした生産方式は存在します。
勿論、この話も改めてします。