流通システム/物流システム徒然記
さて、この小口配送システムを どのようにして実現させたのだろうか?
「 複数のコンビニの店舗が近い距離に存在すれば、少量づつでも配送は可能じゃないのか?」
発想そのものは非常にシンプルだった。
これが、今でこそ誰でも知っている、ドミナント商法(高密度多店舗出店)である。
店舗を一定地域に集中することで効率の良い配送を可能とする。
当初、問屋と小口配送を認めさせるための戦略でもある。
店舗側にとっては、欠品を起こさず鮮度の高い商品を届けるための物流戦略でもある。
物流戦略の陰に隠れてしまいがちだが、これによりその地域に合わせたマーケティング展開も可能となる。これは結構重要なポイントでもなる。
プロジェクトメンバーは、セブンイレブン1号店の配送効率化のため周辺の江東地区の商店に片っ端から朝から夜遅くまで走り回った。
新しい店舗を新規獲得するため口説き回るためだ。
まだ、コンビニが世間で認められていない時期だったため、容易な作業ではなかった。
しかし、努力の甲斐もあって豊洲1号店周辺の11店舗が参加を約束してくれた。
1974年の豊洲1号店オープン以降の東京、神奈川、福島、埼玉の15店も同様な戦略で展開していくこととなる。