g_物流システム徒然記

045 在庫が無くなる (コンビニ13)

流通システム/物流システム徒然記

プロジェクトメンバーの岩国は問屋を説得するため、前回までの物流戦略を武器に勝負に出た。

「 我々のコンビニは、これからの新しいマーケットとして新しい客を集客します。
コンビニはこれからの日本の新しいビジネスになります 」

・・・と本当に言ったかどうかは知りませんが、問屋もその何度もお願いにあがる熱意に押されて条件を呑みます。

1店舗1日あたりの配送台数

このような経緯で、1974年コンビニがオープンして約1年の模索期間を経た1976年から小口配送(共同配送)がスタートします。

1ダースでなければ仕入れが出来なかった製品が3個で1組、ヨーグルトなど痛み易いものは、な何と1個単位で配送されたのです!※

セブンイレブンのサイトを検索すれば分かることですが、1店舗1日あたりのトラック配送台数がいきなり70台から42台に激減します。
2000年頃から配送台数の限界に近づいている感もありますが、それにしてもお見事です。
従来の業界の常識を完全に打ち破ってシステム化に挑んだ結果です。

成功の秘訣は、まず業界の常識を疑ってみることから始まります。

エイベックスの依田巽(Tasumi Yoda)元社長のコメントに、私の好きな言葉があります。
「 業界の常識はエイベックスの非常識 」
これに良く似たようなセリフは聞きますが、まさに常識にとらわれず現状打破をすることが重要だと唱えています。

依田さんがエイベックスの社長時代のホームページには、「 特異性ある創造と貢献 」を経営理念に掲げていました。これも合い通じる言葉です。
数年前に経営方針の問題で、マスコミに騒がれたことを記憶している方も少なくないと思います。

その依田さんは、六本木の巨大ディスコ ベルファーレにも関与していた方でもあり、そのベルファーレと言えば、かの有名な経営者を連想することになります・・・。(私もベルファーレは数回、ジュリアナは何度も出掛けています)

さて、話は戻ります。
当然のことながら在庫はみるみる減り、商品回転率が上がり利益はみるみる上昇した。

この小口配送の導入により “コンビニは儲かる” ことを知り、参加を約束していた店舗が次々にオープンすることとなる。
こうして、東京都江東区はコンビニ元祖の街となるのだった。


※印:実は最小発注数が定められていて、更にその倍数も定められている模様。
実際1個単位で発注出来る意味ではありません。

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